僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)
3.11東日本大震災について、様々な被災の観点から語ったマンガ。
東京や千葉の被災者の視点、書籍流通の被災者の視点、先端科学の被災者の視点、経済学の視点、食品汚染被災者の視点、東北の被災者の視点等、得てして偏りがちな視点について、ひとつだけではなく多数の人の目を通じて語ることで、複数の視点から震災を捉えている。
特に書籍の流通については、出版界という身近だがよく知らない業界が直面した問題について、分かりやすく描いている。
確かに紙とインクがなければ本は刷れないし、倒壊による被害よりもスプリンクラーによる水濡れの被害の方が深刻という話しや、被害にあった書籍の損失を誰が被るのかなど、業界外からは分からない問題について触れられていて、おもしろかった。
先端科学施設についても、確かにつくばは研究施設が多くかつ被害が小さくなかったので、大きな話題にはなっていないが、金額的・時間的な被害は甚大だろう。
ルネサスなど民間企業が操業停止になると、取引先の企業が協力することでニュースでも取り上げられていたが、直接的に誰かに利益を与えていない公的な研究機関や学術施設が被害を受けることの大変さがよく分かった。
経済編については、『すべての経済はバブルに通じる』の小幡績が解説していて、確かに「地域の人々が望んでいることをすべき」という意見について異論はないが、円高や成長についてなど、本題と違うことを俎上に載せながらばっさりと切り捨て、強引に持論を展開する内容には疑問を感じた。
数ページのマンガで経済学についての深い反証を行うのは無理にしても、少し極論が多い気がした。
また、放射能についての分かりやすい解説も載っている。
正しい知識を身につけて、自分で考えて判断すること。
最終的に判断するのは自分自身でしかない。
判断材料として、評価できる一冊。
マンガ 物理に強くなる―力学は野球よりやさしい (ブルーバックス)
同シリーズの化学式もそうだが、読んで学校の問題がすらすらと解けるわけではないだろう。
あくまでも初心者用。あとがきに書いてあるように、物理は難物だ。
まあ初心者にはこういうのから入るのが適している。慣性の法則、運動方程式もあるし、フーコーの振り子、一応相対性理論も少しだけやる。
これだけ読むと物理が簡単そうに思えてくる。実はそうではないと思うが、雑学読みにはいいだろう。