宇宙大帝ギンガサンダーの冒険―水上悟志短編集 vol.3 (ヤングキングコミックス)
著者自身が挑戦、実験的に描いたと言うとおり、やや異色の一冊となっております。
一回目の読後は妙な違和感に囚われました。しかし、2度3度と読み直すと
ああ、やはり水上ワールドだなを思いました。ここらへんが、著者が殻を
破れなかったと言っていた所以でしょうか。しかし、復刻版の漫画が出るほどの
人気作家なのですから、無理に殻をやぶらんでも・・・・。いや、挑戦は大事ですけどね。
短篇集ですが、題名通りギンガサンダーがこの本の主軸となります。まあ、内容は読んでのお楽しみ。
個人的にはギガサンダーの最期を描いた作品が好きです。
ちょっと笑えて、ちょっとホロッと来て、ちょっと残酷で、ちょっとイイ話。読み返すと
やっぱり、そんな短篇集でした。
余談ですが作中に「テツマキ」の名が出たときなんだがジ〜ンとしてしまいました。
サイコスタッフ (まんがタイムKRコミックス)
『惑星のさみだれ』が気絶するほど面白い水上悟志の1巻完結モノ。
この人の作品はいつも「うわ!天才だ!」っていう感じは全くしないのに、アイデアと見せ方で、
特に一風変わったセカイ系においては天才と同じレベルのマンガを描ける人だと思う。
この作品もあらすじだけ見れば、主人公が超能力者で、宇宙人のかわいい女の子が星間戦争に誘いに来るという手垢まみれのストーリー。
でも主人公は、生まれながらに持っているもの(超能力)よりも努力して得られるもの(目前の大学受験)を信じているので、
自分が持つ強大な力に全く振り回されない。
セカイ系は好きだし面白いけど、多くの作品でどこか心にひっかかる
「こういうの思春期に読んだら情操にあんまり良くないよな」感を綺麗に取り去って生まれ変わらせているのがすごすぎて毎回驚く。
少年ジャンプとかは、こういうマンガを連載するべきだと思う。
エンジェルお悩み相談所 (ヤングキングコミックス)
が、詰まった感じの1冊
笑いあり涙あり意外性あり、で、これ1冊で完結してるので「ぴよぴよ」や「げこげこ」と同じく水上悟史を読み始めるにはいい作品かと思います。
でも、「惑星のさみだれ」や「戦国妖孤」にある『熱血さ!!』はないかなー
ちょっぴり変で、ちょっぴり癒し系な、作者らしいなと思える単行本。
定価で買いましたが損はしなかったと思えるないようだったので水上悟史初心者にもオススメします。