福田こうへいさん、門出です。福田

何と言っても、このカラーリングが気に入りました！細身のジーンズをロールアップしてコーディネートしたいものです。 [ニューバランス] new balance M1400 関連情報

手に取ったときにスッと馴染む厚紙の手触りの良さと掌にちょうど良い大きさの本です。厚紙にシンプルに印刷された表紙のタイトルとその周辺に金箔をあしらった細やかさに目が行きますが、カラーの帯にシンメトリー風に描かれた動植物の巧みなコラージュ的な配置が圧巻な、懐かしさと目新しさの同居する福田利之さんの世界観が凝縮されたこの表紙画を見てどこか惹かれるものを感じた方はぜひ本作品『福田利之作品集』に触れてみてください。福田利之さんと個人名で伝えてもどのような作品を手掛けているアーティストなのか判然としない時には、音楽グループのスピッツの一連のシングル『群青』『ルキンフォー』『魔法のコトバ』やアルバム『さざなみCD』の美しく味のあるジャケットを例に挙げると、その中のどれかはきっと多くの方々の一度は目にしたことのあるイラストレーションなのではないでしょうか。彼は他にもムーンライダーズや山田稔明さん、ワンデイ・ダイアリー等のCD作品にもそのイラストを提供していますが、本書にはそれらの作品すべてが掲載されています。例によってこれらに代表されるアンティークな風合いを活かす作風が福田さんの作品では一番の見どころに感じますが、いずれもシンプルに洗練された抽象的なデザインとイラストが有機的に調和してアニミズム的な唯一無二の作品世界を形成しています。また、平成28年度の中学校国語の教科書に採用されているイラストレーションも実に秀逸で、このような素敵な表紙の教科書で勉強できる今の中学生が羨ましいです。非常に器用で引き出しの多い彼の作品群の中で惹かれたのは、福田さんが製作した立体作品の数々。彼の絵本やイラストに登場するタイプのユニークな愛らしいキャラクター観が投影されているのですが、北欧のリサ・ラーソンやカイ・ボイスン、或いはウォルター・ボッセの往時の名作古典を彷彿とさせるオリジナリティ溢れる日本人らしいセラミックで、このような作品群は福田さんが単発で作ったものなのかもしれませんが、個人的には先のイラストレーション同等に大変素晴らしく感じられました。目下、かわいいものが好きな男性による国内屈指のデザイナーだと思います。よくある形態の作品集なだけに望むべきスタイルは最低限の趣向しかここにはありませんが、彼本来の魅力は自身の作家参加型の創作性にありますので、本作品を眺めても伝わりにくい面があります。福田さんと言えば世間へフォト絵の方法を親しみやすく紹介したり、フィンランドでナビゲーターを務めた時のインパクトが大きかったので、今後もどんどんメディアに登場してその飄々とした存在感で記憶に残るアートをお洒落に届けて欲しいです。福田利之作品集関連情報