言う者は知らず、知る者は言わず(早川義夫ライブ)
ジャックスは10年ほど前に友人から借りて聞いたことがありました。
日本にこんなバンドがあったんだ、と鮮烈に感じた。
最初にこのアルバムを聞いたときは、早川さんがジャックスの人とは知らなかったし、気づいたのは曲が「マリアンヌ」に入ってから。これが、今の音なんだなぁ、と嬉しく思った。
そんな経緯はあるが、アルバムの第一印象は「何だコレ!」だ。「早川義夫って誰?」と思いながら、何となく手にしたこのCDを聞いていたら、流れるピアノと歌詞に涙が出てきた。自分の経験してきた幾つかのことが、余計な脂肪分を落とした単純な歌詞とピアノで表現されていた。つまらない言い回しや気取った歌詞・演奏ではない。
音楽が心に染み入る、そんな感じ。ライブ音源だから(観客の音も聞こえる)、生々しさがあって余計に。多分、これからもずっと聞くアルバム。
ラブ・ゼネレーション
たしかにとげのある表現もある。矛盾だと思うこともある。しかし、何度も読んでしまうのである。はじめて読んだのは早川さんが復帰して間もない頃お茶の水の店頭で文庫本で。今は新装本で。正しいかどうかなんて私にはわからないが限りなく素敵なのだ。早川さんが本当は何を伝えたいか知りたくて何度も読んでしまう。遠藤周作さんの「私が捨てた女」を読んだときもそうだった。何十回と読んだ。「ラブジェネレーション」何度読み返しているだろうか?本を買う意味とはここにあると思う。そうでなければ、図書館で読めばいい。早川さんはいつも唄っている。本の中でも。CDを買ったような気分だ。
日本の悪霊 [DVD]
原作とはだいぶ内容が異なりやくざ映画になってしまいました。
オープニングの渋川の町並みに流れる岡林のラブジェネレーションが最高でした。30年前劇場で見たはずなのに覚えていたシーンは岡林がリヤカーを引いてガイコツノ歌を歌うシーンだけ。監督はあえて白黒映画で閉塞された時代感とリアル感をだしている。佐藤慶が二役だったとは・・・ラストで村瀬は死ぬのか? やくざと学生運動がどうリンクするのか?答えは自分の中にある。
高橋和巳ファンは小説とイメージが違うので見ないほううがいい。
岡林信康ファンあるいは70年代の日本に郷愁を抱いている向きにはお薦めのDVDです。
ぼくは本屋のおやじさん (就職しないで生きるには 1)
日本のロック黎明期につのだ☆ひろ等が所属する伝説のバンド「ジャックス」があった。早川義夫はそのリーダーであった。ジャックスは2枚のアルバムを残して解散し、早川は1枚のソロアルバムと『サルビアの花』という名曲を残してミュージックシーンから姿を消した。そして、誰もが驚いた90年代における、ミュージシャン・早川義夫の復活!
一度の引退から復活まで早川義夫は何をしていたのか?その答えがこの本にある。実は、「本屋のおやじさん」をしていたのだ。この書には、零細の本屋の苦労が書き綴ってある。本屋が、書籍卸売業者や出版社から仕入、客から注文を受けた時、注文制をとる出版社等々である。これから、本屋を営みたい方にはお薦めの書である。
参考までに、ミュージシャン・早川義夫としての素顔は全く触れられていないので、御注意を
レコード・コレクターズ増刊 日本のロック/ポップス 2012年 02月号 [雑誌]
レココレでは、以前日本のロック、ポップスに関する本として「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100」を出していましたが入門者の方とか日本のロック等について俯瞰的に知りたい、ガイド本が欲しいとお思いの方ならそちらの方をお勧めします。こちらは、例のアーカイブシリーズで以前レココレで特集した記事をそのまま再掲載するシリーズです。ですので、取り上げられたアーティストは深く掘り下げらられていますが、これで「日本のロック/ポップス」全部がつかめるというものではありません。
ただ、取り上げられているアーティストを通じて日本のロック、ポップスに関してここまで深く踏み込んだものはあまり見当たらないので、非常にありがたい1冊だと思います。
欲を言えば、というか不思議なのは、GSの特集はここに載らないの?キャンディーズ特集も載せるべきだったのでは?さらに、URC特集については追加訂正のコーナーでもっと拡大してほしかったなあと3点ありますが、まあ、ここまでの本を今出せるのはレココレだけなのでその頑張りに免じて星5としました。
今のロック・ポップスを知るには欠かせない1冊だと思います。ここで取り上げられたアーティストが作品が無ければ日本のロック・ポップスは随分と違ったものになっていたことは間違いないでしょうね。
今後もレココレの特集、増刊期待しています。