中村悦子オンステージ　湯の郷つづり湯の郷

湯けむり温泉郷まほろばの非日常 ~おんせん部活動日和~ (講談社ラノベ文庫)

「温泉回」…ラノベやアニメで「水着回」と並び、シリーズの合間に必ずと言って良いほど入れられるファンサービスの定番。その「温泉回」で丸ごと一冊ラノベを仕立て上げたという無謀な作品物語は主人公の羽村広貴が東京から両親とともにディーゼル車が走るローカル線を乗り継ぎ、駅を降りても迎えに来た車で更に延々走ってやっと温泉郷・真秀（まほろば）村に辿り着く場面から始まる。広貴の高校進学を機に医者である父が無医村である真秀村に移住する事を決めたは良いが、広貴が入学する事になった「真秀分校」はなんと教師一人・生徒は広貴を入れて６人という小中高合同教育という有様。そんな学校で広貴以外では唯一の高校生である村長の孫娘・椿杏子は広貴を学校唯一の部活である「おんせん部」に誘う男の前でも平然と肌をさらす少女たちに度肝を抜かれる広貴に杏子は「村おこし」の問題を持ちかけるが…主人公以外は小学生から高校生まで全員女生徒（しかも羞恥心ほぼゼロ）という設定で温泉で混浴させて…というあからさまな読者サービスで押し切る作品かと思ったら意外なほどにテーマはまとも。有態に言えば東京で勉強しかしてこなかったガリ勉モヤシ少年が住人の流出が止まらず少子高齢化が進行しまくった温泉しか売りがない寒村で、村の将来を考えるあまり自分の事が後回しになっている少女と出会うというボーイミーツガールの物語スマホの電波もろくに入らない田舎で東京育ちの広貴が「この村にしかないもの」に気付いていく過程や自分が生まれ育った真秀村の危機を大人たちの諍いを通じて察し、「村おこし」などの方策を練って廃村の危機を回避しようと高校生ながらに必死な杏子先輩の想いはしっかりと描かれている人間関係が苦手な息子の広貴が高校受験でのつまづきを切っ掛けに精神的な谷間に落ち込んでいたのを療養を兼ねて田舎に連れて行った両親の思惑であったり、優秀ではあるけど村の将来を支える事ばかりを考え過ぎて自分の事を後回しにしている娘の杏子に「村を出て行った人間も村の事を忘れた訳ではない」と気付かせてくれる杏子の母親なんかの大人勢が意外なほどしっかり描かれていたな、という印象ただ、それだけに杏子以外のサブヒロインが登場する場面がノイジー過ぎて作品の全体的な出来を落としてしまっているのは残念。特に「おんせん部」の活動場面になると五人のヒロインが一斉に喋り出すのだが特に中身も無い話を数ページ以上続けられると話がもたつく上に、同じ様な中身の無い会話場面が何度もキャラの掘り下げにも繋がらないまま繰り返されるので途中で飽きてくるこれならサブヒロインはばっさり削って村の危機や、大人たちの思惑、村を出て行った人間に対する杏子の想い等を掘り下げた方が話の密度も上がり、よりテーマが明確になったのではないだろうか？「それじゃラノベとして重過ぎる」と言う意見もあるかもしれないが、それ以前に小説としての完成度を高める方を目指してほしかった。しっかりとしたテーマはあるのに、ありがちなハーレム系ラノベに寄せ過ぎてしまって完成度が落ちてしまった勿体無い作品湯けむり温泉郷まほろばの非日常 ~おんせん部活動日和~ (講談社ラノベ文庫) 関連情報

湯けむりサスペンスシリーズフリーライター橘真希「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳(特典無し)

推理物と期待して購入すると、ボリュームの少なさにビックリ&一本道で推理する場面が殆どないです。でも、実写といっても何枚かの写真の使い回しをしているのかと思いきや、そのシーンそのシーンで撮り直していて、その点はなめていてゴメンナサイという感じでした。また、登場人物のドタバタな掛け合いは面白いし、クリア後の観光地の名所が説明付きの実写で見られるのは素晴らしい!!(細かいお店まで乗ってます)私は凄く気に入り、あちこちの地域でシリーズ化して欲しいです。各地の観光名所を歩くのがメインで、軽く推理というのも新しいゲームかと思います。なので、題名とパッケージを間違えた不憫なソフトかなと…。「DSで歩こう温泉地+フリーライターのドタバタ事件簿」とかにしていれば、本格推理を欲しかった人に酷評されることはなかっただろうし、逆に本格推理を敬遠している人達が「DS地球の歩き方みたいな感じかな?」と気軽に購入し、結構売れたソフトになったと思うのですが…。湯けむりサスペンスシリーズフリーライター橘真希「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳(特典無し) 関連情報

本場久留米手づくりのヒッコリー柄はんてん・半纏・ちゃんちゃんこ・どてらリニューアル