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パレード
ご多分にもれず、僕も「あの花」でGalileo Galileiを初めて聴きました。「青い栞」に胸をワシヅカミにされたままシングル発売まで一ヶ月も待つのが不可能だったので、速攻で「パレード」を購入しました。若干20歳の新人バンドのデビューアルバムということで正直あんま期待していなかったのに、買ったその日から無限リピートです。18〜20歳の頃に持っている未来に対するぼんやりとして不安定な感覚(一言でいうと青春てこと)に、憧憬とともに胸をカキムシラレルような感動があります。
肝心の中身ですが、まずサウンドがいいです。現在、札幌で共同生活をしながら音源制作をやっていてメンバー全員がDTM(PCで音源制作すること)に明るいらしく、自宅兼スタジオで録音した素材がそのまま楽曲に使われていることも結構あるそうです。新人バンドの割に効果音的なエフェクトの使い方とかうまいなと思います。
ただし、この「パレード」は基本的にはギターロックアルバムです。ギターは空間系を基本に非常に練られた音作りがされていて、歪ませても音抜けがよく何より巧いです。「僕から君へ」や「フラッピー」ではギター2本でアルペジオを弾いてリフを作ったりとギターバンドならではのフレーズが共感を持てますし、「18」の疾走感あり、「夜の窓辺〜」のしっとりしたアコギありで年齢から考えられないくらい表現が多彩です。最近は、やたらとかき鳴らしてうるさいだけか、弱々しい音で不安げなコードをならすだけのワンパターンですぐ飽きるバンドが多い気がしますが、Galileo Galileiは高速ロックからバラードまでしっかり聴かせてくれます。また、今後はもっとシンセを使って音楽創作をやっていきたいとインタビューで言ってましたが、「青い栞」のカップリングの「スワン」では早くもその成長の成果が聴けます。
作曲については、先にギターリフがあって後から歌メロをのせることが多いそうですが、そのメロディーが凄まじくいいです。ギターリフが曲の基本にあってボーカルが素晴らしいメロディーで曲に異なるベクトルを与えるスタイルはロックバンドの醍醐味だと思います。その点で、このアルバムを聴くとU2のデビューアルバム「BOY」を思い出します。荒削りで決して巧さはないけど、若さでしかなしえない疾走感と緊張感を表現できるバンドは実はそうそういません。日程があわなくてライブにまだ行ったことがないのが残念ですが早く彼らの演奏を体感してみたいです。
ボーカルの尾崎さんがインタビューで、音楽の本質的なところを追求していきたい、という内容のことを語っていましたがこれからどんな音を聴かせてくれるのか本当に楽しみなバンドです。
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フラッピースペシャル
フラッピーシリーズのゲームボーイ版です。
光る岩を目的の場所まで運ぶといった非常にシンプルなルールの
パズルゲームです。
イメージ的には倉庫番の重力付横視点バージョン。
ステージには2種類の敵がおり、眠りキノコで対抗しながら
上手にかわし、時には利用し、壊せるブロックや壊せないブロックを
上手に配置しクリアを目指します。最初は簡単なステージですが
進むにつれてどんどん難しくなります。
ステージも大量に用意されており、全てクリアするには
かなりの時間が必要です。
手軽でありながら非常にやり込めて、しかも奥の深いパズルゲームだと思う。
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パレード(初回生産限定盤)(DVD付)
ミニアルバム「ハマナスの花」は
ラジオなどで聞きた印象より、
ずっと重く骨太なROCKテイストの強い作品でしたが、
今回はアニメ主題歌あり、CMソングありと、
POPテイストの強い作品です。
ドラムの尾崎弟君はPVで見ると、
「え?こんな細い体でこんな音出してるの?」と、びっくりします。
ベースの佐高君はすごくセンスがいい。
岩井君のギターは世界を押し広げるような音で、
最初、この音に惚れました。
Vo.の尾崎兄君は、
曲ごとにプロの声になっていっているのがわかり、
別人が歌っているかと思います。
この1枚の中で、彼らはめちゃ、成長してます。
付属のDVDも、姿かたちから演奏まで、変化がわかります。
全曲にわたり「故郷の窮屈さと愛着、将来への希望と不安」と言う、
ほとんどが同じモチーフでかかれていますが、
それが、彼らの世界の狭さをあらわしているのか、
それともプロデュースした彼らの意図するところなのか?
個人的にはこれから世界を広げて、
色々な曲を聞かせて欲しい。
でも、地方の人間から見たら通り一遍でつまらないTOKYO的なものに対する
アンチテーゼを感じるので、それは失わないで欲しいです。
歌詞のそこかしこに北海道と言う彼らの根っこを感じます。
特にはじめ違和感を感じた「どうでもいい」は、
10代のやけっぱちさを表現した音につけられた歌詞の、
言葉選びのセンスの良さに、
ミスチルの桜井さんを思わせる才能を感じます。
これからきっとたくさん練習したり、
ライブで鍛えられて、彼らはもっとうまくなるし、
めちゃめちゃいい曲を聞かせてくれると思います。
だからこそ、この時点での彼らの音を、
絶対に聴いておくべきだと思います。
まるで鞍をつけない馴らされていない駿馬のように、
彼らの音楽はまだ荒削りで、それでいて魅力的です。
出来れば彼らにはずっと荒野を行って欲しい。
こんなに音楽を聴いてわくわくしたのは20年ぶりくらい?
息子と同じ歳の子の奏でる音楽に
こんなに夢中になれるなんて、
生きてるのも悪くないものだと思わせてくれた一枚です。