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「鬢多々良」/伊福部昭作品集
このアルバムに納められた曲たちは全て、4年前世を去られた大楽匠・伊福部昭さんの代表作と言っても過言でないものばかりだと思います。
二十弦の曲「物云舞」は、シンプルで典雅な響きの中にも伊福部らしい力強さと躍動感が感じられる傑作です。初演者・野坂恵子の演奏で聴けるのも嬉しい限りです。
「ヴァイオリン・ソナタ」は、個人的に傑作中の傑作だと思います。第一楽章の躍動感、第二楽章の叙情性、第三楽章の推進力、いずれもその裏側には厳然たる意志が流れ、どこをとっても伊福部昭のエッセンスが凝縮されています。これも初演者の小林武史の演奏です。
歌曲「サハリン島の・・・」は、北の寂寥感と純粋さが充溢する、作曲者のバックグラウンドが垣間見えるような曲です。
最後の「鬢多々良」は、先の「ヴァイオリン・ソナタ」と並んで、伊福部昭の最高傑作の一つであると思います。邦楽版「巨大管弦楽」が、伊福部昭の強烈なリズム感に乗って、ときに典雅に詠い、ときに静謐に語り、最終的に乱舞に至る。初めて聴く人にとってはまさに圧巻のサウンド。「かっこいい!!」 の一言です。
オケ版の純音楽作品や、映画音楽しか聴いたことがない人は、是非このアルバムを聴いてみてください。これを聴かずして、伊福部昭は語れないと思います。
私はこれを聴いて、改めてこんな凄い曲を創った人と、少しでも同じ時間を生きたということに喜びを感じました。生誕百周年には、各楽譜出版社、レーベルに派手にやってくれることを期待しています。
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MIDORI NO HIBI MEMORY 2 [DVD]
1クール・12~13話放映の作品では、あまり多くキャラクターを出すとうまく処理できずに「出しただけ」になりかねないのですが、実は本作でも多少その憾みはあるかも知れません。それでも、本巻収録の中盤戦の単発エピソードに主人公以外のキャラクターを主役に据えた話を集中的に投入して、少しでも活躍の場を与えようという思いやりが話に反映されているのか、第7話や第9話はかなりの好作に仕上がっていて見ていて気持ちがいい。
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戦時グラフ雑誌の宣伝戦―十五年戦争下の「日本」イメージ (越境する近代)
戦時下のグラフ雑誌を実際手に取ったことはありませんが、戦前・戦中の様々な資料や雑誌を以前読んだ経験もあり、普段あまり知られていないようなこの研究テーマに興味を覚えて読了しました。
筆者の井上祐子氏は、日本近・現代メディア史を専攻している研究者です。書かれた論文一覧を見ますと、戦前・戦中の報道やグラフィックス、漫画といったものに関心があり、本書もその延長線上でまとめられた論考を1冊にしたものです。
「アサヒグラフ」や「FRONT」、「アサヒグラフ海外版」、「太陽」「SAKURA」「NIPPON」といったグラフ写真誌を丹念に調査した研究成果が結実しています。これらの雑誌は、網版印刷やグラビア印刷の普及と共に人気を誇りました。10頁に書かれているように「写真自体の表現を工夫してフォト・ストーリーの形式と組み合わせることによって、グラフ雑誌は観念やメッセージを表現し伝達するメディアとなり、世界が第二次世界大戦へ向かうなかで有効な宣伝手段として利用されはじめる。」と指摘しています。
それを通して、副題にあるように十五年戦争下の「日本」イメージの解明に努めた論考の集大成だと思いました。第1章「『報道写真』とグラフ雑誌の黎明」から第7章「『東亜の盟主』のグラフィックス」、終章までを貫く問題意識の発端はここにあると思いました。
専門書ではありますが、当然多くの貴重な写真が転載されており、写真を眺めているだけで往時のイメージがつかめるようになっています。文献資料中心の政治史や国際関係史とは違う視点を持ったアプローチですので、興味を覚える人もあると思います。
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MIDORI NO HIBI MEMORY 1 [DVD]
昭和のアニメの設定に近いですね。マニア向けのようで結構幅広く楽しめると思いますよ。ラブコメは好きなジャンルですが家族と観れないのがネックですかね。
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みんなのテレビ・ジェネレーション アニメ歌年鑑1981
「新竹取物語1000年女王」の2曲以外は、「名曲だけど目新しさがない」ものばっかりである。3社協同、さらに他のメーカーも協力しているのなら、この年に「新・ど根性ガエル」OP・EDを入れて欲しかった。とんねるず需要は今はそんなにないかもしれないが、この何にも工夫のないラインナップよりはましである。もっと柔軟に。名曲が多いので辛うじて星4つ。
そういえば、ダイオージャもこの年だな。なんで入れないのかな?