ロリコンサーガ (アクションコミックス)
日本の何処かに鬼の呪いによって住人の女性が皆、幼い少女の姿をしたまま成長しない町が在るという、
これはその町に住む3人の少女(見た目は小学生だが実際は高校生)の愛と嫉妬と友情と不思議な縁の物語である、このインパクトあるタイトルをもつ非現実的な舞台設定の作品を作者は卓越した描写力で説得力ある日常譚に仕上げている、例えばこの表紙を観てほしい、およそ日常的とは呼べない装飾過多な少女達が自分達の住む街の中へかけてゆく様が実に自然に描かれているまるで読者をこの不思議な街へいざなう様に、読者はこの一冊の本で不思議な祭りのはじめから終わりまでを彼女らと共に過ごす事となるのだ、愛らしいキャラクターと伝奇譚、連載作品ではあるが大長編の読みきり作品のような趣、そこにゾンビ映画のティストも加わりなんとも憎めない「まんが」に仕上がっている。
ただ設定が特殊なため、各キャラクターに感情移入した頃に物語が終わってしまい一抹の寂しさも感じるのだが、それも含めて「お祭り」なのだ。