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話し上手な人のアドリブの技術

私も含め、一般の人々は、アドリブのことを、「瞬時に機転を利かすことができる才能」と思いがちです。
しかし、吉本の芸人さんのマネージャーを務めていた著者は、アドリブは才能ではない、と言い切っています。

では、アドリブとは何か。
それについて、著者は、以下のように定義しています。

・アドリブとは、決して「思いつき」や「出たとこ勝負」ではない。だから、アドリブは、学んで、練習して、努力すれば身につけられる「技術」。
・アドリブは、実はその人の頭の中にもともとあったもの。決して、その場で初めて考えたものではない。かつて考えたことがあるセリフや行動を、臨機応変に頭の中から引っ張り出してきて、うまいタイミングでぶつけるのがアドリブ。

つまり、真っ白な状態から生み出されるものではなく、日頃の語彙の積み重ねから産まれるというのです。
この定義を読んで、目からウロコが落ちた気分でした。
自分では才能がないとあきらめていましたが、要は状況に応じた訓練をしていないだけなのです。

また、アドリブは技術であるからこそ、
・アドリブの前に、相手のキャラクターを把握しておかないと、正反対の反応になってしまう。
・その場の空気を読めなくて、ふさわしくない言葉を使うのは、アドリブではない。ただの失言。
と、事前の準備や、使ったときの反応を想像しておくことの重要性も説いています。

他にも、アドリブによって、人とのコミュニケーションが円滑になるという事例が満載です。
営業職や経営者等、対外的な接点を持つ人だけでなく、事務職や部下であっても、上司とのやり取りや部内でのミーティング等でも有用で、あらゆるビジネスシーンで役立つ本だと思います。