素晴らしい演奏です。極端ではないのですがアクセント付け方が絶妙で全曲一気に聴いてしまいました。価格も手ごろなので、始めて聴く方にも是非セットで入手して欲しい逸品です。

Piresの70歳の誕生日を記念するというアルバム集。ドイツグラモフォンへの全部のソロレコーディングを集めてある。バッハ1枚、ベートーヴェン1枚、ショパン5枚、モーツァルト6枚、シューベルト6枚、シューマンとブラームスで1枚計20枚の構成。

ソロレコーディング集とはいうものの、シューベルトの4手のための作品やショパンのチェロソナタなども入っている。オリジナルジャケット仕様。ただ「前奏曲集」の入っているNo.3のディスクのジャケットにはピアノ協奏曲1番との表記があって「前奏曲集」の表記がない。

録音が良いものが多く、透明感の高いピアノ演奏が楽しめる。BACH　MASTERWORKSという50枚組の全集に彼女のバッハが1枚入っていてとても気に入ったので購入したが、演奏もさることながらとにかく音が良いのでしばらく楽しめそう。

重複するものが数枚あったが、リマスタリングがなされていて、とても美しい調べを聴くことができる。
重複していたバッハの協奏曲が、やはり美しい。グールドの演奏がその芸術性の高さから好きだったが、ピリスの一つ一つの音を大切に響かせて爽やかに紡ぎ出す調べも素晴らしい。両者の聴き比べも面白いものだ。
また、若い頃は、ピリスと言えばモーツァルトと言われるくらいだったモーツァルトの協奏曲もさすがである。
私としては、グールドとハスキルをピアニストの最高峰に掲げているが、ピリスも、ハスキルの後継者的な感じでジックリ聴きこんでいる。