五色の舟 (ビームコミックス)
戦争下の山陽地方。
下肢を失った元花形芸人雪乃助を座長とする見世物一座は、岩国で人頭牛躯の妖怪「くだん」誕生の噂を聴き付け、仲間に引き入れるべく現地を訪ねる。
しかし、「くだん」は既に特殊能力を見込んだ軍部の手に渡って居た。
搬送される「くだん」と目が合った「和郎」はその後不思議な五色の舟で漂う一座の夢を観る様になる…。
月刊コミック・ビーム2013年8月〜2014年3月号掲載。
生家や地位を病気や障害の為に失った者たちが強い信頼関係で結ばれている家族物、SF、怪談、伝奇等多用なテーマを見事にまとめた傑作。
原作は河出書房「11 eleven」収録の短編で、2011年星雲賞の最優秀短編部門に「テルミン嬢」共々ノミネートされた作品。
時勢話題に乗った便乗漫画にも見えたが、見事に原作を生かした名コミカライズであった。
過去見世物小屋を題材としたガロ系の名作漫画とは異なった近藤氏による端正な異形の家族の描写が本作の神話的雰囲気を淡々と盛り上げている。
そして、主人公の二人共々、実は不幸な別の世界が有る事を知っている読者達は胸が張り裂ける様な郷愁・罪悪感を抱く事となる。
津原、近藤両氏のあとがきが巻末に掲載。
原作者すら執筆時から没書になることも覚悟していた冒険的な題材を、一般誌に掲載した編集部の英断が見事に身を結んだ傑作。
大いにお薦め。
下肢を失った元花形芸人雪乃助を座長とする見世物一座は、岩国で人頭牛躯の妖怪「くだん」誕生の噂を聴き付け、仲間に引き入れるべく現地を訪ねる。
しかし、「くだん」は既に特殊能力を見込んだ軍部の手に渡って居た。
搬送される「くだん」と目が合った「和郎」はその後不思議な五色の舟で漂う一座の夢を観る様になる…。
月刊コミック・ビーム2013年8月〜2014年3月号掲載。
生家や地位を病気や障害の為に失った者たちが強い信頼関係で結ばれている家族物、SF、怪談、伝奇等多用なテーマを見事にまとめた傑作。
原作は河出書房「11 eleven」収録の短編で、2011年星雲賞の最優秀短編部門に「テルミン嬢」共々ノミネートされた作品。
時勢話題に乗った便乗漫画にも見えたが、見事に原作を生かした名コミカライズであった。
過去見世物小屋を題材としたガロ系の名作漫画とは異なった近藤氏による端正な異形の家族の描写が本作の神話的雰囲気を淡々と盛り上げている。
そして、主人公の二人共々、実は不幸な別の世界が有る事を知っている読者達は胸が張り裂ける様な郷愁・罪悪感を抱く事となる。
津原、近藤両氏のあとがきが巻末に掲載。
原作者すら執筆時から没書になることも覚悟していた冒険的な題材を、一般誌に掲載した編集部の英断が見事に身を結んだ傑作。
大いにお薦め。
サビてからでは遅いのだ BMW 3シリーズ 5シリーズ ドアストライカー カバー
2種類あるので購入前の確認が肝要。該当品であれば簡単にパチンと気持ちよく収まります。確かにあったほうが高級感がありますね。
五色の舟 (ビームコミックス)
評判の五色の舟は読んでみたいと思っていたけれど、津原氏の作品には自分のように心粗く緩いものを拒む部分があって、なかなか手が出ず、たまたまこの漫画化されたと知った。近藤さんの中世ものが好きで集めてきたけれど、坂口安吾の漫画化もよかったので(ある意味原作以上に)、これなら読めるかも、と手にとった。
わかりやすさが安易さにつながらない、近藤さんならではの漫画化で、見世物小屋の面々の素朴でいながらどこか神々しいさまや、昔の(すこし中世にも通じる)日本の雰囲気、舟、くだん、あ、こういう方向の話か、とゆるりと転換するあたりの見せ方や、なんといってもラストの川原のシーンとせりふ。見事。この作品なら原作を読んでみたい、と津原氏にはやや失礼な感想を抱いた。
津原氏と近藤氏のあとがきがあって、非常に小説というものに厳しい津原氏もこの漫画化を絶賛、近藤氏がこの小説を漫画化したいと希望したと知って、作品以外のところでもじんわりくるものがあった。
わかりやすさが安易さにつながらない、近藤さんならではの漫画化で、見世物小屋の面々の素朴でいながらどこか神々しいさまや、昔の(すこし中世にも通じる)日本の雰囲気、舟、くだん、あ、こういう方向の話か、とゆるりと転換するあたりの見せ方や、なんといってもラストの川原のシーンとせりふ。見事。この作品なら原作を読んでみたい、と津原氏にはやや失礼な感想を抱いた。
津原氏と近藤氏のあとがきがあって、非常に小説というものに厳しい津原氏もこの漫画化を絶賛、近藤氏がこの小説を漫画化したいと希望したと知って、作品以外のところでもじんわりくるものがあった。
探偵神津恭介の殺人推理11~密室から消えた美女~ [DVD]
近藤正臣主演の神津恭介シリーズ最後の作品。電車内での不可解な殺人、マンションでの密室殺人等どちらかというと地味な感じの作品である。
しかし、ストーリー自体は丁寧に伏線を拾って収束する形を取る本格ミステリーの王道。設楽りさ子(当時)の初々しい演技も見もの。
近藤正臣がいつになく気障な神津恭介を演じていて、最高だ。昨今のライトな2時間サスペンスと比べて丁寧な作りがなされている。地味だが、有終の美を飾るにふさわしい作品。
しかし、ストーリー自体は丁寧に伏線を拾って収束する形を取る本格ミステリーの王道。設楽りさ子(当時)の初々しい演技も見もの。
近藤正臣がいつになく気障な神津恭介を演じていて、最高だ。昨今のライトな2時間サスペンスと比べて丁寧な作りがなされている。地味だが、有終の美を飾るにふさわしい作品。
説経 小栗判官 (ビームコミックス)
おぉっ!すごくおもしろくて、読了後ずっと思い返していた。説経節というものに初めてふれて、まだまだ知らない日本文化があるもんだと、自分の知識の浅さを反省。日本の漫画は、こういった日本の古き良きものを、伝えやすくしてくれるところがスゴイとこだと思う。単に娯楽の域を超えた作品に出会えるのが面白い。この人の漫画、もっとKindle化してくれないかなぁ。