Gentle Giants: A Book of Newfoundlands
トゥルーへの手紙(A Letter to True '05)で、ウェーバー=犬というイメージが定着した感が強いが、ウェーバーほど犬をこよなく愛し、撮り続けている写真家も珍しい。過去のPhotograph Collection and Movieには必ずといってもいいほど犬たちが登場して来ました。MaleNudeと同様に、ウェーバーにとって犬たちは大切なテーマの源となっています。写真集"Bear Pond"を始め、チェット・ベーカーのMovie"Let's Get Lost"までにも、やはり犬たちは登場します。本書ジェントル・ジャイアンツ(Gentle Giants '95)は、ウェーバーの愛情満ち溢れた、まさに犬たち(今回のテーマ、ニューファンランド犬)の集大成作品集と言えます。犬たちを単なる被写体として捉えてるのではなく、そこには飼い主の愛情にも類似(匹敵)するスタンスと、その視線で捉える優しい温もりを感じ取ることができます。それにしても犬だけの題材(素材)で、これだけのストーリー構築とページ構成の展開には本当に脱帽させられます。BookDesignのArtDirectorデミトリアス・レヴァンスとウェーバーとのコラボレーションは、この"Gentle Giants"を始め、現在に至るまでの書籍に対する生理的なアプローチを実に上手く導いてくれています。本来のあるべき姿を明確に表現し、時代(写真集)をリードするそのセンスは揺るぎないものです。そして犬たちの可愛らしさはもとより、ウェーバーの編集感覚の素晴らしさをドラマティックに堪能できる1冊です。