本書は二代目ロビン(ジェイソン・トッド)の死を描いた衝撃作『デス・イン・ザ・ファミリー』と
後に三代目ロビンとなるティム・ドレイクが初登場する『ロンリー・プレイス・オブ・ダイイング』の二作を収録しています。

『デス・イン・ザ・ファミリー』
読者に電話投票でロビンの死を決めさせたという
部分が注目される事が多い本作ですが、
デリケートな中東の問題に触れるなど、中々興味深いシナリオで
特にロビン死亡後のジョーカーの行動などは意表を突かれました。

また各章の内表紙を『ヘルボーイ』のマイク・ミニョーラが描いており
見どころの一つとなっております。
本書終盤にロビン生存バージョンの展開(※1ページ)を収録。

『ロンリー・プレイス・オブ・ダイイング』
ロビンの死によっていつもの冷静さを失い、何者かに監視されている事にも気付かないバットマン
そこに復活したトゥーフェイスの罠がしかけられる…

デス・イン・ザ・ファミリーの方ばかりに興味がいき
あまり期待していなかったのですが、思わぬ収穫となりました。

バットマンとトゥーフェイスの推理合戦、それに連動したコマ割り
バットファミリーの絆、なぜバットマンにロビンが必要なのか、など
面白い要素が上手く組み合わさっている様に思います。

また本作はバットマン誌とニュー・タイタンズ誌のクロスオーバーとなっており
アニメ化され日本でも話題になった『ティーン・タイタンズ』の元ネタを見れる貴重な翻訳物です。

その後のバットマン史に大きな影響を与えた本書、買って損はないと思います。

ザ・スターリンに興味がある人は必見の本！
ザ・スターリンにまつわる数々の噂の真相を遠藤ミチロウ自らが激白！
全裸になって逮捕された時の事、豚の臓物や汚物に秘められた謎・・・。
女性自身に「変態バンド」と紹介されて以降、様々な雑誌に登場したザ・スターリンの記事が今、蘇る。
付録のDVDだけでも価値あり！
1982.3.28テレビ埼玉で放送。こんな映像が存在するとは・・・”奇跡”としか言えない。
場違いな客の前で演奏するザ・スターリンの姿が哀れでもあるが・・・。

とにかくロマンチスト、アレルギーα、STOP JAP3曲のPVだけでも価値ありの1本だと思われますが、映画“爆裂都市”でのTHE STALIN出演シーンや徐々にオーディエンスの興奮がエスカレートしていくライブの模様等々、秀逸なドキュメント作品でもあります。
彼らの熱狂的なファンの方々であればすでに本作は所有していらっしゃることと思いますが、むしろ少し聴きかじってはいたけど、trashとかレアな音源まで持ってたわけでは…、くらいのライトなファンの方にこそ一見していただきたい。
間違いなく彼らの魅力を再発見出来ます。

購入に際し、久々にスターリンを聞き直した。

そしていざ、NAKED傾聴。

初見で感じたのは、スターリンの怖さ。
伝説となっているLIVE中の奇行や暴走など、そもそもアングラなイメージは持っていた。

しかし、このアルバムに感じた最初の感情は、それまでのイメージとは比べ物にならないほどの畏怖だ。
永遠の苦しみを描いた小説などを読むと感じる、あの畏怖の数十倍の感情。

死なせてくれ。
死なせてくれ。
私達はそうやって常に規律を守る。

無政府という名の金欲。
成長という名の暴走。
セックス、中絶、セックス、中絶……。
楽園は黒夢。後は死ぬだけ。

しかし、誰かが私達を掴んで離さない。
死なせない、と離さない。
「いやだと言っても愛してやるさ」とでも言うように………。

その顔を、その姿を見て我々は驚愕するだろう。
さあ、恐怖と覚醒をもう一度。

解散LIVE「For Never」のリマスター盤CD発売に続き、
スターリンのベスト盤がリマスター盤で復刻されたことはファンとしては嬉しいかぎりですが、
不朽の名作「虫」収録の365・泥棒・天プラ・フィフティーン・ING,O!(夢遊病)・Die In・取り消し自由。
これら短い曲のうちいくつかが未収録なのが残念。これら短い曲のなだれ打ちこそがスターリンの真髄だと思うので、
今度は「虫」そのもののリマスター盤を出してもらいたいです。
「Trash」や「虫」は激しいドライブ感に満ちたまるで1曲構成のようなアルバムなので、
その中から何曲かをピックアップしてベスト盤に収録するということ自体おかしいと個人的には思います。