大いなる誘惑―危険を愛する男たち〈10〉 (MIRA文庫)
隊の中でシリーズを通して、「二卵性双子」とまで称されてきた脇役コンビのボビー&ウェズのボビーが今作のヒーロー。これまでの作品の中では、脇役に徹して、あまりスポットライトを受けてこなかった彼でしたが、今回の作品では「こんなに格好良かったなんて!」と驚く程、ヒーローとしての魅力を充分に発揮してくれます。
落下傘学長奮闘記―大学法人化の現場から (中公新書ラクレ)
2001から8年まで法人化を挟んで岐阜大学の学長を2期務めた黒木学長の回想記。
理系の一流の基礎医学者であるためか、文章が簡潔で読みやすく理解しやすい。加えてユーモアのセンスもあり、おもしろかった。
本書によって、遠山プラン、運営費交付金の構造、移動官職、教育GPといった国立大学法人における重要事項について初めて少し理解することができた。
印象に残った箇所は以下のとおり
p.95
法人化という全面的なシステム改革により、国立大学は、文科省の一地方組織ではなく、独立した組織として、学長と役員会が最終責任を負って運営する企業型組織になった。
p.113
わが国の国立大学の授業料は、世界の中では群を抜いて高額である。〜中略〜その上、入学金をとっているのは日本だけである。
p.254
移動官職であるのですから移動閑職ではないはずです。
p.311
すべてに合意形成を求め、手続き論を重視し、迅速に進めようとすると拙速と非難する。それが大学という文化である。
p.347
正論をいったから、すべてが通るなどと思っているわけではありません。しかし、言わないことには、何も進まないのは確かです。
国立大学法人職員にとって、法人化以降の問題を捉えることができる良書だ。