トリフィルファンタジア 1 (Gファンタジーコミックス)
初めてこの人の漫画を読みました。以前連載していた作品があるのは知っていますが、そちらの内容は知らないです。
パン屋トリフィルに住む二人の姉妹と一人の居候の物語。1話あたり10ページ前後の話が10編収録されているのですが、どれも優しくのどかな雰囲気で(登場人物に本当の悪人とか出てこないし)そして不思議なお話ばかりです。どこか現実に近い設定や寓話的要素を含んだものもあり、漫画というより絵本を読んでいるような印象を受けました。すぐに何度も読み返すより、時間をおいてゆっくり読み直したい作品です。
またイラストが可愛らしくかなり癒されます。表紙は昼で主人公達、裏表紙は夜で……といったデザインも作品の舞台となる町、オンファスの不思議な一面を示唆していて素敵です。カバー折り返しの作者あいさつで単行本は全2巻になるとあるのですが、巻末では好評連載中とあります。連載は終わってしまったのでしょうか? それとも最初から話数を決めているということでしょうか? ともあれ、次の巻で終わりのようです。
1話1話で完全に句切られているので、電車などのちょっとした移動の時に読み進めることも可能です。話と話の間には設定資料が、また巻末には『E'S』の結賀さとるとのスペシャル対談や作者による作品解説などがあります。読むことで今作ををより深く味わうことが出来る内容ですので、雑誌で既に読んだという人も楽しめるのではないでしょうか。
レヴァリアース 完全版
作者の生み出した幻想世界、オッツ・キィムを舞台に繰り広げられる、壮大なファンタジーの記念すべき一作目。
幼くして邪神竜ディアボロスを倒し、世界を救った英雄ザードは、その後復活したディアボロスに殺されてしまう。兄の敵を討たんがため旅に出た主人公ウリックは、法力国の王子シオン、妖精のレムらとともに邪神竜を目指し進むのだった。各地に残る亡き英雄の面影、思想の違い故に起こる宗教争い、伝説の水晶が眠る神殿、邪神竜の棲む異世界―…長き旅の果てに彼らは、何を思うのだろう…。
数多くあるファンタジー漫画と何処か違う…と感じられる深い物語が、貴方を惹きつけることでしょう。出逢えて良かったと思える作品です。更に注目したいのは、これがまるで漫画というよりは絵本のような美しい装丁のハードカバーとなっている点です。全3巻のコミックス版もありますが、色彩も綺麗なこちらの愛蔵版をお勧めします。
また三部作の一作目ですので、今作のみでも楽しめますが、こちらを気に入ったのでしたら、残りの二作品もお試ししてはどうでしょうか。