トリ姐 商品

トリ姐 今日から「姐」と言われても NDY企画 任侠事件簿 (集英社オレンジ文庫)

大人向けのライトノベルのわりに高校生の主役が多いことにあきあきしていましたが、この作品は26才の女の子が主役で、しかも実家が元ヤクザ。設定がおもしろそうだと思って読んだのですが、うーん、ビミョウです。まず、ヤクザのこと、金融に関することなどなど、とにかく下調べが甘い。さらには、一応三人称の体裁がとられているのに、地の文の中で登場人物を「~さん」と呼ぶことの違和感。さらには、実家が元ヤクザのせいで26才なのに職も彼氏も長続きしない、まではいいとして、そのわりにそこはかとなく主人公が処女っぽい設定になっていることの不気味さ。せっかく26才の女の子が主人公なのだから、そういう変な気遣いは違和感の原因になるので必要なかったのでは?と思うせいか、どうにも読んでいて物語に没頭できないんですよね。設定だとか、義理と人情うんぬんというのがおもしろいだけに、なんだか本当に残念。なんというか、設定を26才の女性にしただけで、中身は女子高生、女子大生と変わりません。この作者さんは、ライトノベルの頃からそうなんですが、どうも20代後半はもう女性として旬を過ぎていると思っているふしがあるような。その感覚を変えないかぎり、せっかくおもしろい設定でも主人公のキャラがすべてを台無しにしています。設定はおもしろいのにキャラや背景の詰めが甘すぎるせいで、ストレスが多くて読み終えるのが少々苦痛でした。オレンジ文庫はちょっと大人向けのはずなのに、この作品は普通に子ども向けのライトノベルですね。 今日から「姐」と言われても NDY企画 任侠事件簿 (集英社オレンジ文庫) 関連情報




Loading...


ここを友達に教える