梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)
初めて読んだのは、高校の国語の授業でのことだった。授業で「感想を書け」と言われて「共感した」ってなことを書いたのを今でも覚えている。クラスメイトの女の子が「この小説全然よく分からない」と言っていたことも…。
超内省的な文章でつづられる憂鬱や孤独が、僕にはよく分かる。それだけに、「城のある町にて」という爽やかな物語が感動的で...この感覚、80年代の英国ロックバンドThe Smithに通ずるものがあります。そう、ロックを感じずにはいられません。
ちなみに短編集なので読みやすいです。
BUNGO-日本文学シネマ- 檸檬 [DVD]
原作にストーリー性が加味されていますが、話の軸はブレてません。
この部分を蛇足と捉えるかどうかで、かなり印象が変わると思います。
個人的には良かったです。
もちろん原作を知らなくても楽しめると思います。(好みの問題ですが)
檸檬 (新潮文庫)
高2のときの国語の実力試験、本文は梶井基次郎の『愛撫』だった。「猫の耳というものはまことに可笑しなものである。薄べったくて…」から始まるその文章を読んでいて、思わずその不思議でおかしな内容に、試験中にも関わらず笑い出しそうになってしまった。ふと気が付くと、クラス中のみんなが笑いをこらえながら問題を解いているのに気が付いた。そしてベルが鳴った後、全員が言った。「この続き、読みたい!」
授業で『檸檬』をやって、その鋭い風景の切り取り方、感じ方に魅せられてはいたが、まさかこんな作品があるとは…と、思わず買ってしまったのがこの短編集『檸檬』である。繊細でどこか艶かしい、そして時々とても素直な基次郎の世界を堪能できる一冊だった。一つ一つは短い話だけれど、凝縮された内容は読み応えあり。ただ、人によって好きなものと嫌いなものが混じっているように感じるかもしれないので星4つ。