せんせいになれません 8 (バンブーコミックス)
日常ほのぼのや、心温まるほっこり4コマが大好きですが、
この不真面目な「せんせいになれません」も大好きです。
大笑いするようなギャグではありませんが、この作品が与えてくれるのは【癒し】や【小さな幸せ】ではなく【カタルシス】【不真面目へのあこがれ】なのです。
第1巻を読んだ当時、私はまだ学生でした。
その時は単純に不真面目な河田池田たちの行動を単純に笑っていました。
社会人の方なら皆わかると思いますが、「やってられるか!」と思えるようなことも時にはありますよね。
実際は我慢して稼がなきゃ生活できないのでこらえますが、作中で河田たちは「出勤する」ということ以外は我慢せず奔放で不真面目に振る舞います。
小学校教諭という、上司、生徒、保護者などしがらみだらけの立場での河田たちの不真面目さはカタルシスを与えてくれます。
GTOのような破天荒さではなく、不真面目に仕事をやっている姿勢がとても気持ちいいのです。もちろん実際にマネはできません。
私の不真面目願望を作中で代行してくれているのがこの作品です。
真面目な方にこそ読んでもらいたい、がんばりすぎてしまう人にこそ読んでもらいたい作品です。
きっと、不真面目な彼らに対するあこがれが感じられると思います。
あとがきに、担当編集が若い人(連載開始時には小学生だった)に変わったとあり、私も学生の時からから読んでいて「せんせいになれません」の楽しみ方が変わったなぁ、と年月を感じてしまいました。
遠野モノがたり (バンブーコミックス)
4コマでありながらも、イラストエッセイであり、また遠野の内寄りなガイドブック的側面もあり、
何とも味わい深い作品です。
この作品に4コマ漫画としての面白さを見出すかどうかは、そのまま小坂俊史の作風を好きかどうかにかかってくるので、
人によっては退屈なものと感じるやもしれません。
ただ自分は、どこか冷めながらも穏やかな優しさと暖かさを灯ったこの1冊が、心地よくてたまらないです。
最後に、初見で目を奪われる表紙とそのデザインセンスは見事。
前作「中央モノローグ線」に続き、名和田耕平デザイン事務所、素晴らしい仕事です。
中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)
東京中央線沿いの女の子たち物語。
東京って住んだことないんですが、ひと駅ひと駅にこんなに特色がでるのでしょうか!?
田舎なんて、田んぼ、住宅地、田んぼ、住宅地が順番に繰り返されるだけで
基本、なーんもかわらんのに。不思議な気がします。
静かな作品です。読めば誰でも大うけというものではありません。
読む人を選ぶ漫画だと思いますが、選ばれた人はむしろ誇れ!というくらいの傑作です。
基本的に、登場人物たちの自虐ネタですが、味わい深い・・・
個人的には、自虐と気づかない強いハートの持ち主、吉祥寺の祥子さんファンです。
現在、第二部にあたる遠野編が連載中ですが、第一部の女子たちの事がかかれていないので
ちよっと寂しい思いをしています。
(まあ、遠野編に中央線女子たちが出てくると設定的にヒキますが。ここらへん、読者は勝手なものです)
みんなにお勧めする作品ではありませんが、これをイイと言ってくれた人とは距離が近くなれる・・・
そんな漫画です。