華麗なる一族 DVD-BOX
放送中全話観ました。昭和49年の映画も観ました。ドラマは主人公に据えたのが「鉄平」なので、そもそも比べてはいけないのですが、私は改めて、このドラマはよく出来ていると思います。原作者が大作家で御存命であるため、脚本家は独自の解釈や脚色は極力制限され、相当なプレッシャーがあったのではなかろうかと思います。俳優の演技云々ばかりがそのドラマの評価基準になりがちですが、このドラマに関わった人すべての労をねぎらいたいと思います。時代考証・将軍・美術については他の人も触れているのであえて触れません。ただ、「主人公・大介」の作品が観たい方は昭和49年の映画の方をお薦めします。
ゲーテ格言集 (新潮文庫)
数多く引用されることの多いゲーテの格言を様々なテーマごとに集めたものです。ゲーテの歩んだ重厚で含蓄の溢れる言葉の数々垣間見れる一冊です。
●印象に残ったもの
「なんじが終わりえないことが、なんじを偉大にする。」
「慰めは、無意味なことばだ、絶望し得ないものは生きてはならない。」
「喜びには悩みが、悩みには喜びがなければならない。」
「人間は、彼の制約されない努力が限界を定めないうちは幸福になれない。」
「人は少ししか知らぬ場合のみ、知っているなどと言えるのです。多く知るにつれ、次第に疑いが生じてくるものです。」
「われわれは結局何を目指すべきか。世の中を知り、これを軽蔑しないことだ。」
「人生は悪しき冗談なり。」
「欺かれるのではない、我みずから欺くのである。」
「光の多いところには、強い影がある。」
「批評に対して自分を防衛することはできない。これをものともせずに行動すべきである。そうすれば、次第に批評も気にならなくなる。」
不毛地帯 DVD-BOX 1
原作も読みました。確かにドラマでは、はしょられた箇所が多いことと展開の速さが気にはなりますが、TVドラマとしてかなり楽しめる作品で、何回繰り返し見ても色あせない見ごたえのあるドラマだと思います。ドラマオリジナルの部分もうまく膨らませていて、ドラマとしてさらに魅せられる作品になっています。主役から端役にいたるまで、配役が素晴らしく、全てのキャストがその登場人物にしか見えない、完成度の高いドラマです。主演の唐沢さんは、個人的に財前五郎より壱岐正のほうが、はまり役のような気がしますし、その他のキャストの方々の演技にも脱帽です。エンターテイメントとして面白いのはもちろん、多くのメッセージが詰まった素晴らしいドラマです。
不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))
1巻600ページ超、全4巻の大作である。日航に勤める主人公を中心に日航の闇の部分を描く社会派小説「沈まぬ太陽」でも彼女の取材の緻密さが感じられたが、おそらく「不毛地帯」は「沈まぬ太陽」が世に出るにあたり、その試金石的な役割を果たした小説なのだろう、同様の取材の緻密さが感じられた。この小説では、シベリアに11年間抑留された元日本陸軍参謀の主人公が帰国後商社マンとして第2の人生を歩んでいく姿を描いており、前半はシベリアでの強制労働、後半は砂漠の中での石油開発と2つの不毛地帯を舞台にしている。様々な不幸、困難を経験しながらそれぞれの不毛地帯に不屈の精神で立ち向かっていく主人公に知らず知らずのうちに感情移入してしまい、大作の割にはどんどん読み進めてしまう。お薦めの1冊である。
大地の子 全集 [DVD]
あまり深くは描かれませんでしたが、主人公の妹の話は兄以上に悲劇でした。これが泣かずにいられようか…。
TVでは無名だった上川隆也を発掘し、主人公に起用した人はすごい、と思いました。「大地の子」の意味がラストに解りました。