林哲司 ソングブック~Hit&Rare Tracks~
林さんの事は十数年前に知ってはいたのですが、
ようやく、今、懐かしい探していた曲を聴くことができました。
とっても懐かしい曲ばかりです。
え!?この曲も聴きたかったんだけど、林さんが作られてたんだ!
という名曲ばかり。
聴いてみると、ふっと、青春してた頃を思い出します。
歌謡曲 林哲司 著
「ウナ・セラ・ディ東京」「旅の宿」「亜麻色の髪の乙女」などなど誰でも経験してきた名曲が著者の体験を通して、林さん自身のクリエイターの立場からの一定の見識を保ちながら、次々と紹介されています。自然にわたし自身の体験が甦ってきて楽しく拝読できました。音楽を友とする普通のヒトの感性と、長年作曲家としてご活躍されてきた筆者のプロの感性とが合わさって、とてもバランスのとれた名曲紹介になっていますね。良い本をありがとうございました。
林哲司ヴォーカル・コレクション~ナイン・ストーリーズ
ナイン・ストーリーズ は作曲家としての林哲司の絶頂期に制作されたアルバムだ。全曲がシングルカットできそうな高水準の作品だ。確かにボーカルに難はあるが、それがアーティストの味というものだろう。
キャッチーなサビが印象的な悲しみがいっぱい、打ち込みのビートが心地よい左胸の星座、極上のバラードのキャッチミー、その他。いつまでも色あせない作品たちだ。
林哲司 全仕事
80年代のJPOPを語るのに絶対的な存在である林哲司。世間に彼の名声が聞こえ始めた「真夜中のドア」「September」から菊地桃子への曲の提供といった全盛時代を経て今にいたる仕事が、インタービューも交えながら紹介されている。特に仕事仲間から見た林哲司という側面からの記事も多く、萩田光雄など他の本では出てこないようなレビューが興味深い。
ハチ公物語 [DVD]
あまりに有名な話を、しかも劇場公開当時の私鉄グループ系企業色たっぷりの宣伝をしたものだから、名匠の新藤監督脚本作品でありながら不運にも「企画モノ」扱いされた′87年公開の作品。
実のところ日本映画の名作として挙げられても良い上質な作品です。
スタッフ、キャストも最高の仕事をしています。
他のレビュアーの方も仰る通り、衣装や風俗や街並みなどの時代考証も正確。
特にラストの雪振る中で上野博士と「再会」して幸せに瞑るハチのシーンの直前、ハチ自身の主観カットを横に遮って行進していく軍列・・・古き良き庶民の時代から暗澹たる戦争の時代へ突入していく気配を残して映画は終盤を迎えます。
もう本当に素晴らしく心憎い演出です。
エンディングテーマが’80年代のニューミュージック系の楽曲だから違和感が無くもないですが、ハチの心情を代弁してるかのような曲なので、あながちミスマッチではありません。
もっと質的に評価されてよい映画。
ハリウッド・リメイクされることが良いのか否かはさておき、リメイクに相応しいと認められたポテンシャルを持った映画であることは、見直される良いチャンスだと思います。
リチャード・ギアの上野博士も楽しみ。
でもその前に、このオリジナルを改めて再確認しておきましょう。
追伸:
渋谷好きな方はこの映画を観て渋谷を更に好きになるはずです。
今でも渋谷の街にそこはかと流れる庶民感覚。
昼夜問わず騒がしいけど何故か居心地が良い今の渋谷は、この映画の中の「渋谷驛」周辺のアットホームさから連綿と引き継がれていることが判りますよ。
実際の上野博士の邸宅の玄関は現在の東急百貨店本店のブルガリがある辺りにあったとのことです。
私事ですが、公開時に今は亡き東急文化会館の映画館を当時の彼女(というか今のカミさん)と後にして、反対側の北口に立っているハチを撫でながら「お前は本当に偉い子だったんだな」とわざわざ会いに行ったことが懐しく感じられます。