完訳 ペロー童話集 (岩波文庫)
あまりにも有名な赤ずきんちゃん。ストーリーなんか今更読まなくったって知ってます、という貴方! 何と、シャルル・ペロー版だと赤ずきんちゃんが狼に食べられるところで物語が終わるんですよ! 嗚呼、偽善を排除した素晴らしき教訓……坂口安吾が自らの文章にてぺローバ-ジョンの赤ずきんちゃんを引用したのも頷けます。
ダカーポといえばネームバリューもあり待望の新作ということで購入を検討している人も多いかと思います。
とりあえず全シナリオを終えた感想として購入を検討している人に言えることは、買って損はないということです。
今作では大まかに二部構成であります。第一部はプロローグ、第二部は...まぁプレイしてのお楽しみということで。
ヒロインと仲良くなって個別のエンディングを迎える、所謂攻略というのは第二部から始り第一部は物語の外枠的なものを理解できれば十分かと思います。
ヒロインごとのシナリオの長さが結構違いますが、どのヒロインも中身が充実しているので満足できるはずです。
BGM、テーマソング、挿入歌などの音楽的部分、またCG、立ち絵なども非常に綺麗で視覚的にも聴覚的にも楽しむことができます。
しかし、少々よくない部分もありました。
誤字や字の分とセリフが違うシーン、
巻き寿司を食べさせているはずなのにどう見ても卵焼きであったり
顎に人差し指を当てて思考しているようなポーズで指が長すぎて不気味など。
この手のゲームを好んでやっている方なら気付いてしまう他社の作品とのデジャビュ。
挙げてしまえば、シャルルのストーリーではMOONSTONE様の某作品とかなり似ている部分があり
泣かせる展開ではあったのですが、展開が読めてしまって正直残念でした。
とまぁ、細かい事をはつらつらと挙げることができるのですが
全体としては間違いなく良ゲーです。これは間違い無いです。
第一部のOPの素晴らしいアニメーション。
あるヒロインのシナリオで登場する臨場感あふれる3D画面。
などなど、長所の方が短所の方よりも明らかに秀でているので問題なしです。
「世界はループしている。それはまるでフィーネの無いダ・カーポのように」
この一言から始まるファンタジーの世界。ぜひぜひプレイしてみてください!!
シンデレラ―または、小さなガラスのくつ
ル・カインの挿絵という事で購入。繊細で美しく、素敵なイラストです。半分位がモノクロ挿絵だったので、それがちょっと残念でした…。ぜひオールカラーで見たかったです。
D.C.III~ダ・カーポIII~ 初回限定版 【amazon.co.jp限定 オリジナルドラマCD付き】
なんで・・・R18じゃないんだ・・・
や、わかってるんですけどね。DCシリーズはストーリーがとても良くてイロイロなメディア展開も可能なブランドですから・・・その方が都合がいいのでしょう。自分自身DCにはH要素は必要ない!と思っていたくらいですから。
しかし昔のエライ人は言いました。
「それはソレ!コレはコレ。」と・・・
確かに素敵なんだけどソレはソレなんですよ・・・ええ。個人的には★5個なんですけどね。
ただ・・・
これまでもそうでしたがDCシリーズはプラスコミュニケーションと呼ばれるプラスアルファの追加版を販売してきていて、今回もDC3プラスコミュニケーションが出るだろう・・・と誰しもが思っているかと思います。
もしかしたらソッチにはオトナのためのコレはコレの要素が含まれているのかも・・・そんな期待すらしてしまいます。
そう考えたとき今回ここでコレを急いで買う必要性があるのか・・・ということです。ただ、正式に発表されてるわけではないですし(2012.05.30現在)待つか・・・買うか・・・悩むところではないでしょうか?評価を中間にしてあるのはそのためです。
そんな未確定な情報待ってられないよ!と思うのなら迷わず買いですかね?
アッシャー家の末裔 (トールケース) [DVD]
映画は夢に似ていることが多い。映画を見たという体験と夢を見たという体験は非常によく似ている。サイレント、モノクロの場合は音も色もないのでこちらで想像する部分が大きく、より夢に近い気がする。そのせいか、サイレント・モノクロの作品は、トーキー、カラーの作品に比べ、記憶しにくい。怪奇映画の場合は、ストーリーというよりイメージの連なりで見せるので、余計にそうだと思う。見ているとすぐ眠くなってくる。夢が覚えられないのと関係しているような気がする。
エプスタンの「アッシャー家の末裔」も確かに大学時代に見た記憶があるのだが、内容は殆ど忘れていた。どこで見たのかも定かではない。大阪の上映会だったと思う。字幕も付いていなかった。
ところが、何かの時に突然、思い出したりする。最近では、黒沢清の「LOFT」を見ていて。森や陰鬱な空や枯れ木の感じから、「アッシャー家」の場面が急に浮かんできた。これはエプスタンだと思った。
また、ブライアン・ユズナの「死霊のしたたり2」を見たとき、これは女人造人間が出てくる「フランケンシュタインの花嫁」のパロディなのだが、この女人造人間が登場してきて、やっぱりエプスタンのアッシャー家の「墓から戻ってきた花嫁」だと思った。
「残酷の沼」でロバート・ブロックの「ポー蒐集家」のエピソードを見たときも、「アッシャー家」の波立つ沼のイメージが甦ってきた。
夢のように意識下に記憶されているのだろうか。繰り返し繰り返し「アッシャー家」のイメージが反復される。
改めて鑑賞すると、覚えている「アッシャー家」と随分違うのに驚く。バージョンも違うのかも知れない。
記憶のアッシャー家はもっと怖かったようにも思う。恐怖が勝手に成長していたのだろう。
風、波立つ沼、雲が走る空、不気味な枯れ木のシルエット。絵を描いているときのアッシャー家当主のアップ。交尾するガマ。絵に命を吸い取られていく花嫁。奇怪なイメージがどんどん重なっていくのが見事。
途中、屋敷の周囲の森のようなところに、黒犬が小さく映る。呼ばれても、サッと身を翻して逃げてしまう。どうでもいいような場面だが、感心してしまった。今の映画だと必ず黒犬のアップを挟んでしまうのだろうけれど、挟まない。黒犬は小さいまま。そういうところが何だか凄くいい。夢のようにイメージとして、無意識下に残ってしまう。黒犬のアップが挟まってしまうと、「映画」を意識して夢から覚めてしまう。
ラスト、墓から戻ってくる花嫁ですら、アップにならない。アップでは怖くない。
屋敷が燃え落ちる場面はなかなかスペクタクルだった。ラストの花嫁の甦りはもう少しじっくり描いた方がよいようにも思ったが、どこかに別のバージョンがあるような気もする。