革命の夜、いつもの朝 [DVD]
セールで安く売っていたというだけで手に入れたDVDだったが、68年五月のパリの騒乱を見て取れる興味深いフィルムだった。
まず見ていくと、観る側に対して心地いいと感じさせるような映像のテクニックというかトリックをあまり使っていないように見えたのが新鮮だった。ある種、ありきたりな街の風景の中で市民がバリケードを作り、機動隊が対峙し、投石があり、放水があり、サイレンが鳴り拡声器から声が響く。その見映えが決しておしゃれでなくある面みっともなく見えるところが印象に残った。後に続く討論の渦も、見せ方を洗練させた撮り方でないところが、なんともよかった。革命なんて口走れば何か格好のいい立ち姿や仕草を連想してしまいそうにもなるが、現実に体を張った動きは一面でとてもみすぼらしくもあるものだというのが、このフィルムを見ているとよくわかる。革命といわれる動きの格好悪い部分も含めて構成していることに、好感を覚える。逆に、格好良く見せたものには嘘がある、ということにも思いが及ぶ。何事か格好良くまとめているものには大きな嘘がある。生きることの格好悪さを他人に押し付けて隠蔽している部分が相当にある。無矛盾でスムースな言いくるめ方には大きな無理がある。言葉にされないところに隠微な力が及んでいる。その一方、生きてることのみっともなさと、みっともなさを引き受けて身体を張る潔さと、それにかかわらずもっと良くなろう、よく生きようとする願いとがこのフィルムからは伝わってくるし、そんな生き方に共感する。ここからの世界を見つめると、今よりもかなりぶ厚い人の生き方が見えてくる。
ここでの出来事から発想された社会思想は少なくない。これを見てこの時代に、あるいは今の時代に違和感を感じてみるのも面白いと思う。
ユウキ欲しい!? (Soir〓e books)
宝塚時代の経験をよかったこと、辛かったことまでつぶやくように天海さんの思いが語られていました。
色々な経験があって、今の天海さんがあるんだ、みんなにすごく気をつかっていろんな人に慕われる天海さんの人柄はこうして育まれたんだなあ、というのを感じました。ますます天海さんを好きになってしまう素敵な本です。おすすめです。
Chill-Out Mellow Beats〜Harmonie du soir
懐かしい二曲のハウスクラシック〜(2)と(10)を収録しているだけでも貴重だが、全体を橋本氏らしい美意識に貫かれた静謐でメロディアスなチルアウト・コンピレイション。特に朗々と歌われるファラオ・サンダースの(8)には胸を衝かれる想い。
この手の盤にありがちな安っぽい宗教臭さやケレンのない内容は音楽への愛に満ちている。氏の選曲が決定的に信用できるのは、まさにその所以。美しい明け方か、静かな夕暮れの中で、この音に身を任せたくなる真のヒーリングミュージック。
ある夜、クラブで
好き嫌いが極端に分かれる物語だろうね。
とりあえずジャズファンの私は楽しく読んだ。
ビル・エバンスを彷彿させる主人公の名が「ナルディス」、
恋人の名前が「デビー」なんて、
ちょっとサービス過剰かも。
かつての名ジャズピアニストの再生と新しい愛。
その対蹠に位置する、それまでの日常と古くからの愛。
主人公はとくに決断することもなく、
あっけなく、ほんとうにあっけなく、ケリが付いてしまう。
黒い猫のエピソードが読後に深い印象を残します。
洒落た語り口で読ませる大人の寓話。
ただし、後口は少し苦い。
(なお、カバーにはビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」のジャケットがデザインされています。
小説中のジャズクラブの描写も、まるで演奏が聞こえてくるかのように秀逸です。)
AVE MARIA
私はアイドル時代の美奈子さんの歌声しか知りませんでした。
マスコミがやたら「天使の歌声」と書くので、半信半疑でとりあえずこのアルバムを買ってみました。
クリスマス・イヴにCDを聴きましたが涙があふれてきて泣いてしまいました。耳に入ってくる美奈子さんの声はとても優しく、強く、母性あふれ、本当に「天使の歌声」でしたので。
今頃美奈子さんの美声を知った事を後悔しています。
とりあえずamazonさんにある美奈子さんのCDを少しづずつ買っていこうと思っています。確かCDの収益金が白血病の団体への寄付になるという様な話を耳にしましたので。