浪花少年探偵団
何の気なしに読んでみてビックリ、舞台になった小学校は隣の小学校だけど
他人の家の裏の路地までテリトリーだったガキのころ走り回っていた場所
調べたら中学の先輩だった、納得
「阪急電車」もそうだったけど風景を知っているとホントに読みやすい
傑作とはいえないけど登場人物が魅力的でテンポ良く読めた
内容としてはしのぶセンセと周りの大人の話に子供がちょいちょい絡むって感じ
「少年探偵団」ってのはちょっと偽りアリかな?
30年振りに行った今里、新地公園は昔の面影がなくなり
町並みは置屋、町屋が消えマンションだらけ
かつての花街、今里新地はすっかりコリアンタウンになってしまっていた。
また明日【初回盤】
名盤誕生です。
+200円で2曲追加と考えれば断然
初回版をお勧めします。
浪花少年探偵団の主題歌「また明日」
変わらずまた明日会えることの喜びを唄った
明るくて青春のように駆け抜けるような疾走感のある楽曲です。
しかし、ただ明るい曲という訳ではなく、どこか感じる切なさがあります。
子供の頃、同じように友達に「また明日!」と手を振っていた事を想い出す温かみと
大人になってからはそんな喜びが随分と少なくなってしまった事への切なさを感じます。
本曲は「明日の再会」だけでなく「時を経た再会」とを両方描いているように思いました。
言いたい事は沢山あった。けれど、どう伝えて良いのか分からなかった。
でもそれで良かった。また君と会えるから。また君とこの夕陽を見られるから。
想い出す遠い日の幼少の記憶。
時が過ぎて、互いにそれぞれの道を歩んでいった。
お互いに色々な事があっただろうけれど、
あの頃の様にもう一度、君と「また明日」って約束しよう。
そんな歌なのだと思いました。
カップリング曲の「改札口」もまた新たな名曲の誕生です。
「また明日」と同じく再会がテーマとなっていますが、
「また明日」が「また会える!」とすると、「改札口」は「また会える…」。
遠距離恋愛や離れて暮らす恋人同士であれば特に
重なるシーンが多いのではないかと思います。
最後の別れでもないのに、また会えるのに、
胸を締め付けてくる切なさ。でも、だからこそ感じる愛おしさ。
両曲はまるで太陽と月のようなイメージです。
普段は北川さんの曲が太陽で、岩沢さんの曲が月という
イメージが(勝手ながら)強いのですが、
今回は逆の印象というのが楽曲構成としても面白いと感じました。
そして両曲があってこそ完成されるシングルなのだと感じました。
それくらいに本CDは完成されていると思います。
知る人ぞ知る名曲であり待望のCD化となった「うすっぺら」
悲しく切ないバラードです。
儚くて弱くて、それでいてどこか力強くて、
メロディーラインと歌声の美しさに加え、
青い炎のように静かにも燃える感情を
歌にぶつけた様な歌詞は衝撃的です。
間違いなく路上時代のゆずを全快で感じられる事の出来る楽曲であり、
ゆず史上屈指の名曲のひとつだと思います。
「おじや」もそうですが、こちらはライブ音源での収録となっております。
二人だけの生演奏による本曲は路上時代の雰囲気を彷彿とさせ
ドームに響き渡る歌声はより透明感と臨場感が増しているように思います。
「おじや」もまた知る人ぞ知る名曲であり、今回が初CD化となります。
北川さんが病気のおばあさんを励ますために
バーバが作ってくれた思い出のおじやの味を歌にした楽曲でしたが、
曲が世に出る前に亡くなられてしまい、聴かせてあげる事が叶わなず
それ故に未収録曲となってしまったという悲しいバックグラウンドがあります。
歌自体は北川さんの個人としての思い出を綴ったものではあるのですが、
自分自身のおばあちゃんとの思い出を重ねてしまい、
思わずホロリと来てしまいました。
歌はきっとどこまでも届きます。
そのとき歌に込めた想いは温かいまま冷めることは無いと思います。
バーバの様に上手におじやは作れなかったけれど、
北川さんにしか作れない「おじや」は
きっと天国のバーバの元に届いていると思います。
新装版 浪花少年探偵団 (講談社文庫)
東野圭吾による初期の作品。
今TBSでドラマ化されている影響で刑事の進藤が小池徹平のイメージになってしまい、
世界観がやや崩れているなと思えた。
本書の特色はテンポの良い大阪弁。
大阪市内で生まれ育った東野圭吾であるから表現できたのであろう。
1988年に登場した作品ではある。しかし当時から内容もありきたりな推理小説の
ような展開をしていない。このことも魅力のひとつであろう。
解説で宮部みゆきさんがじゃりン子チエが将来大きくなったとしたらしのぶセンセだと
思えると述べている。確かに似た雰囲気、キャラクターであると思える。
浪花少年探偵団 (講談社文庫)
東野圭吾氏の作品をいくつも読んだ中で、これは異色の作品でした。とにかく”おもしろい!”
正直いって、推理なんてどうでもいい。(あ、もちろん事件の方も面白いんですよ。)それよりなにより、しのぶセンセと悪がきたち、大阪府警の万年ヒラ刑事コンビが織り成すドタバタコメディーは、笑いあり、涙ありでとにかく飽きない。事件をきっかけに新藤刑事がしのぶセンセにほれてしまうが、センセが見合いをしたことで、恋ガタキがあらわれ、こちらの恋の行方も気なるところ。とはいえ、今の段階では新藤刑事が一方的にほれてるようですが。
なにはともあれ、関西弁というのは不思議なものですね。少々きついことを言ってもきつく聞こえない。この物語を標準語で書いたら、味も素っ気もないでしょうね。関西弁にしか出せないおもしろさがあふれています。
この小説の続編『しのぶセンセにさよなら』もおすすめです。