ディープ・ブルーズ (On music)
ネクタイの似合うイギリス人の歌手と同名なので混同されそうですが、ってことももはやないのかもしれませんが、本書の持つ価値が損なわれることはありません。本書はブルースという音楽を楽しむために不可欠な、十分条件ではないとしても、必要条件ではあるところのミュージシャンと取り巻く人種差別や時代背景を視野に入れながら重要人物に焦点を当て描いていった書物です。
ザ・ベスト!!
2003年9月に亡くなったロバート パーマーというと、Addicted to LoveやSome Like It Hotのヒットによりハード ロック系の歌手というイメージが強いかもしれないが、本作はそれに留まらないパーマーの多様な音楽性を知るのに好都合である。北アフリカのJujuというスタイルのPrideや、他人の曲を編曲したEvery Kinda Peopleでは、スティール ドラムを効果的に使用して軽妙な味を出している。また、Sweet LiesのようにAOR的な感触の曲もある。スムーズだが多少苦味のあるパーマーの声が魅力的だ。歌詞カードに書かれたパーマーの説明によると、パーマーは本作のうちの何曲かはオリジナルのミックスに不満で(特にアルバムSecretsのミクサーをこき下ろしている)、本作でリミックスしている。従って、初めてパーマーを聴く人にも、既にファンであるひとにとっても必聴の一枚と言えるだろう。Vol 2もおすすめ。
ディープ・ブルーズ
・“Bluesland”という、良い出来のDVDで解説をしていた評論家が1981年に発表した本で、同DVDの元ネタ。イメージとしては、それを詳細に述べたもの。ブルーズについて、その始まりから1980年まで、文化や社会的背景(ジューク・ジョイント、農場経営者による搾取・差別待遇、白人による暴力、教育機会・病院の不足、通信販売、ラジオ放送など)を含めて詳細に語っている。参考文献、参考になるレコードとCDも大量に挙げられているところも長所。
・黒人たちが、どのような理由でデルタ地帯からシカゴに移って来たのかの説明が、特に興味深い。
・特に詳しく説明されているブルーズマンは、チャーリー・パットン、サン・ハウス、ロバート・ジョンソン、マディ・ウォーターズ、サニー・ボーイ・ウィリアムソン(ライス・ミラー)、ロバート・ジュニア・ロックウッド、アイク・ターナー。
・なお、7章の注3のうち、ロイ・ブキャナン(P.307)については説明が欠落しており(脱字も数ヶ所ある)、次の版が出るときには(いい本なので、そうあってほしい)、修正しておいていただきたい。
・黒人たちが、どのような理由でデルタ地帯からシカゴに移って来たのかの説明が、特に興味深い。
・特に詳しく説明されているブルーズマンは、チャーリー・パットン、サン・ハウス、ロバート・ジョンソン、マディ・ウォーターズ、サニー・ボーイ・ウィリアムソン(ライス・ミラー)、ロバート・ジュニア・ロックウッド、アイク・ターナー。
・なお、7章の注3のうち、ロイ・ブキャナン(P.307)については説明が欠落しており(脱字も数ヶ所ある)、次の版が出るときには(いい本なので、そうあってほしい)、修正しておいていただきたい。