ヒストリエ(7) (アフタヌーンKC)
「寄生獣」の岩明先生の歴史物です。
最初は「寄生獣」のイメージがあったので
どうかな?と思っていましたが、読み進めるうちに
夢中になります。歴史物が好きな方は読んでみる価値は
ありますよ!
雪の峠・剣の舞 (アフタヌーンKCデラックス)
岩明均の歴史コミックを2作品組み合わせた単行本。「雪の峠」は初出が1999年のモーニング新マグナム増刊、「剣の舞」は翌年ヤングチャンピオンに掲載された作品であり、発表時期は前後しているもののふたつはそれぞれ独立した作品だ。ただしどちらも実在の人物が主人公になっているという点は同じだし、戦国末期から江戸時代初期という地続きの時代を背景にしている点では似たようなテイストの作品になっている。時代が乱世から平和に向かう中で、剣を持つ者がどう生きるかというのが両作品の共通テーマと言えるかもしれない。
「雪の峠」は関ヶ原の合戦で西軍に味方したことから、領地を秋田に国替えさせられた佐竹家の物語。新しい領地の中心となる城をどこに築くかで当主と重臣たちが意見を戦わせ、当主佐竹義宣と近習頭渋江内膳が推す窪田案と、重臣たちが推す仙北金沢案が激突して評定が真っ二つに別れる。間もなく重臣たちは隠居した前当主が出した横手案に鞍替えし、評定では圧倒的多数で横手案に決してしまう。じつはこの対立、窪田がいいか横手がいいかという比較が問題なのではなく、戦国乱世から太平の世に移り変わっていく中で、自分たちの意見が軽んじられていることにいら立っていた古参の重臣たちによる一種のデモンストレーションだったのだ。しかし重臣たちの目的はどうであれ、藩の意見は横手案と決まった。だが窪田案を推していた渋江内膳は、一度決まった決定を再度ひっくり返すため秘かに考えを巡らせていた……。
「剣の舞」は新陰流の創始者上泉伊勢守信綱の高弟疋田景兼(文五郎)のもとに、ある望みを抱いて押しかけ弟子となった少女ハルナの物語。戦に巻き込まれて家族を皆殺しにされたハルナは、家族の仇である侍たちに復讐するため新陰流の道場に男装して入門。文五郎はハルナが女だとすぐに見破るが、師匠信綱が考案した袋竹刀を使った稽古の実験台として彼女に指導を始める。間もなく武田家との戦いが始まり、信綱や文五郎は長野家の家臣として箕輪城に入り、ハルナも雑兵のひとりとしてこの戦いに参加する。戦いの中で、ハルナは家族の仇を見つけるのだが……。
どちらの作品でも、ドラマの推進役となる名目上の主人公は実のところ狂言回し。本当の主人公は「雪の峠」であれば主君と対立して最後はひっそりと身を引く梶原美濃守であり、「剣の舞」であれば剣の時代が終わることを予感しながら全国を放浪してゆく疋田文五郎だ。このふたりの共通点は、もはや時代の中に自分自身の生きる場が失われていることを自覚していることなのだ。
ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)
例えゆっくりだったとしても仕方の無いクオリティの高さ!!やっと序章を抜けていよいよアレキサンダー登場、しかもへファイスティオンの解釈がまたびっくり(まだ不明な点も多いですが・・・)で、様々な伏線も張りまくりな感じであって、なおかつとても面白く読ませます!
一気に登場人物が増えますが、その顔、キャラクターも、見せ方も上手くて混乱はありませんし、ぺウケスタスまで出てきます!ミエザの雰囲気がまたいいんです。
「ヘウレーカ」の時のハンニバルの目も特徴あって良かったんですが、今回のアレキサンダーの目も凄くなるほど!と思わせますし、既に人柄と後の特徴の絡みを想像させます。
そして鐙の話しもいいです。
ネットでも調べちゃいますが、ここはいろいろ関連本を手にとってしまいそうです、次までにまた知りたくなりますし、知っておいてもその上を軽く越えていく面白さが、さすがです。
ウィキぺディアの「カルディアのエウメネス」関連の充実度、5巻の時には全くなかったのに(笑)、この漫画の影響力の凄さの一端ですよね。