日曜劇場 JIN -仁- オフィシャルガイドブック
現在放映中のドラマ『JIN-仁-』のオフィシャルガイドブックである。
今回の放映に合わせて内容も第一期〈2009〉の各挿話や名場面を紹介し、主役の南方仁を演じる大沢たかお氏、仁の医術に興味を持ち、仁とともに行動する橘咲を演じる綾瀬はるか氏、一心不乱に医療に打ち込む仁の姿に感銘を受け、交流を深める幕末の英雄・坂本龍馬を演じる内野聖陽氏、吉原一といわれた元花魁で仁の恋人と瓜二つの奇妙な運命を持つ野風を演じる中谷美紀氏、さらには咲の兄であり、良き理解者として妹を支援する橘恭太郎役の小出恵介氏、仁の画期的な医術に感銘を受け、仁の元で修行を受ける佐分利祐輔役の桐谷健太氏、龍馬の師匠であり、仁を支援する歴史上の人物・勝海舟を演じる小日向文世氏など出演者たちのインタビューは興味深く、なかでもドラマにおける自身の役どころや意気込みを語られた内容に出演者たちが自身の役に愛着が感じられるのがよくわかった。
他にも『JIN‐仁‐』のプロデューサーである石丸彰彦氏のインタビューも興味深く、『JIN‐仁‐』を映像化しようとしたきっかけや製作過程の裏話にも石丸氏本人の確固たる信念に基づいた作品に対する愛情と情熱が感じられ、また脚本家の森下佳子氏や演出家の平川雄一郎氏のインタビューからもわかるように近年のキャスティングありきのドラマ作りとは違い、視聴率に左右されずに内容を重視した一本の芯の通ったドラマを作ろうとする姿勢がキャストやスタッフにも明確に伝わり、ひとつとなって作られている過程がよくわかった。
その結果、視聴者のドラマ離れが囁かれる時期に『JIN‐仁‐』が大ヒットしている理由も大変納得いくものだと感じた。これからも『JIN‐仁‐』に代表されるような製作意図を明確にした内容重視のドラマ作りが中心となる事を望みます。
最後に南方仁役の大沢たかお、坂本龍馬役の内野聖陽、プロデューサーの石丸彰彦三氏による座談会では完結編に向けての意気込みや役柄に対しての愛着が惜しみなく披露されており、大変興味深く面白かった。役者やスタッフがこれほどまでに熱く語られる事はなかなかなくその意味でもファンにとっては値打ちのある充実した一冊であると思います。
のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
ヨーロッパ編SPから約2年の時を経て、のだめワールドが帰って来ました!
ウィーンの美しい街並みに、歴代の名立たる音楽家たちの銅像。
花束を片手にウキウキと弾むように歩くのだめ。
そして楽友協会での高らかな、ベートーヴェン:交響曲第7番。
映画のオープニングに相応しい、豪華で壮大な幕開けです。
とにかく随所に小ネタが満載で、笑いが絶えない。
あちらこちらに散りばめた細かいギャグが、本当に面白い。
ギャボ茶で笑い、「空気よめって言ってるんデスよ!」に大ウケして、
ボロボレロで爆笑し、のだめカレーでは本当、映画館全体が爆笑の渦でした(笑)
楽しく笑えるシーンもあれば、ニムロッドをバックに、必死で練習をするマルレオケメンバーに涙し、
音楽の宇宙に想いをはせる、あまりにも美しい千秋とのだめのシーンにとても心を打たれました。
そして前編一番の見所の、チャイコフスキー:序曲「1812年」 。
凄い、圧巻です。玉木宏の指揮に圧倒されました。
もう何が驚いたって…連ドラ、ヨーロッパSPとは比べ物にならないくらいに指揮が進化している。
右手だけではなく、左手の動き、アインザッツ、そして何よりも表情が凄く良い。
チェロの優雅な旋律から入り、激しい戦闘が幕を開ける。やがて戦いが終結し、穏やかな農村の風景が甦る。
ここの表情が最高に良い!客席を見渡すお爺さんが、また涙をそそります。
そして行進曲。ヤバイです、かっこよすぎです!痺れます!!超ブラボー!!
…と、1812年の余韻に浸っていると、今度は続けて哀愁漂うバッハのピアノ協奏曲。
これはナイヨーもう反則だろ!という目が離せない演出。
このピアコンが、これまた色気があって痺れるほど格好良い。
そしてマーラーの名曲をバックに、のだめの悲しみ、迷い、優しさ、焦り等、様々な想いを包み込んで、
後編へ向けて繋がって行くワケです。
本当に見所満載の、最終楽章 前編。
実写のだめチームの、「素晴らしい作品を作ってやるぞ!」という
意気込み、心意気、妥協の無さを心底感じました。
余談ですが、マルレオケの脅威の再現率には脱帽。
楽器が演奏できて演技も出来る役者を、ビジュアルも含めてよくもまあ、
あそこまで集めたものだと頭が下がります。特にノースリーブが最高です(笑)
★特典映像の感想★
一番楽しみにしていた未公開映像が思ったより少なくて、少々残念でした。
ですが念願のロックオンを見ることが出来て嬉しいです♪
一番見応えがあったのは、マングース撮影日記です。
クランクインからクランクアップまで、カレンダー形式で追って
映像が公開されていて、見やすくてとても面白かった。レアな映像も満載です。
『最後は映画だ!ぎゃぼー!!のだめカンタービレ 最終楽章 ロケ地マップ』の
収録映像と被っている部分も結構ありましたが、まぁこれは仕方ないのかな…
自転車に乗って遊ぶ、玉木くん&樹里ちゃんがとても可愛かったです♪
後編の特典映像では、ヨーロッパSPロケ地マップでの「三樹の会」コメンタリー
ナビバージョンの復活を希望します!
のだめカンタービレ in ヨーロッパ [DVD]
放映された時は、いうなら連ドラの同窓会気分で楽しんだ。千秋がプラハで指揮者コンクールに挑む過程が、連ドラの思い出のシーンと日本の裏軒に集まる峰たちを交えて描かれ、連ドラを楽しんだ人間には上質の同窓会体験を提供する。本当に良くできたSP番組だった。しかし映画「最終楽章」が出来たことで、このSPの位置づけが変わる。
のだめの才を惜しみそれを開花させたいと願うのが千秋の出発点だ。恋愛対象としては“変態”は問題外だったはずだ。それが「出会ってから良いことづくしだ」というわけで、気づいたらのだめは千秋のミューズだった。愛しさで思わず強く抱き締めてSPは終わる。しかしのだめにとって千秋は何者?
「君はここに何しに来たの?」オクレール先生の質問に、“先輩といつか共演できるピアニストになるために。”と答えないのだめ。アパートの前で一目惚れして“拾った”先輩は、思わずしがみつきたくなるイイニオイがして、呪文料理を食べさせてくれる。気に入らないと自分を投げ飛ばすが、感動で涙が出る演奏もする。幼稚園の先生の他に先輩の妻にも成りたくなったと口走るのだめは、ただ千秋と一緒に居たいだけだ。直感的な千秋への執着。が、そのままでは千秋に置いて行かれるとシュトレーゼマンに言われて、千秋に付いて行っていつか共演するという目標を見つけた。だから先にルイに共演されて激しく対抗心を燃やし、急上昇志向をして、自分を見失う。「何のために弾いているのでしょうね?」と自ら口にするまで。クリスマスの夜の大げんかを経て千秋の方は、「俺はたぶんいろいろなことを覚悟しておいた方が良い」と考えるようになるけど‥。
二人の関係の決着は「最終楽章後編」まで持ち越す。なにはともあれ、二人には幸せに成って欲しい。
YOU&I
最初、気持ちいい感じの曲だなあ~と思っていたら、歌詞を見てビックリ。大切な人を失ってしまった歌だったのですね。自分にはそういう経験はないのですが、号泣してしまいました。涙のあとに“生きていこう”と思える曲でもあります。オススメ!!
佐藤健 Actor's Memory 2006-2011
「仮面ライダー電王」で主人公良太郎を演じた佐藤健。
筆者と同じく、その頃から役者・佐藤健を見守り続けたいちファンとしては、
ものすごく共感でき、かつ目からウロコの落ちるような1冊でした。
あの時彼はこんなことを考えていたのか、あの作品はこういうことを思いながら役に向かっていったのかと、その時その時の佐藤健の心持ちと、世の中の評価や彼のまわりの俳優人たちの反応などのドキュメント部分が見事に紡がれて、俳優・佐藤健の6年の軌跡(奇跡?)を描き出している1冊です。
ただそこにいるだけで輝くような光を放つのに、役柄によっては「何故こんなに地味に???」と驚くほどその光を消す彼が不思議で仕方がありませんでしたが、この本を読んで「そういうわけだったのか!」と膝を打つような気持ちになりました。
そう、“いつもその場にふさわらしい姿で存在する”佐藤健は、役者の「特異点」なんだなと。
この本は、内面と外在、両方からアプローチした佐藤健の完全ドキュメンタリー本と言っても過言ではありません。ファンは是非ご一読を。
基本的にはドキュメンタリーの語り手に徹しようとしているが、時々ちらりと垣間見える著者本人の「想い」にもきっと共感することができると思います。