シューピアリア 1 (ガンガンコミックス)
先日本屋でこの本を見つけ、その表紙の美しさに、内容をよく知らぬまま1・2巻同時購入しました。2巻の帯に「殺人者か、英雄か。」と書かれており、勝手に「グロテスクで人の心の奥深くまで踏み込んだ内容か」と想像していましたが、読んでみるとそうでもなかったようです。
確かに人によってはグロテスクという表現も含みますが、それほどではありません。
また、内容について言及しますと、正直言って私はあまり、楽しめませんでした。求めていたものの相違からかもしれませんが…。
まず、勇者のキャラが薄い(彼の名もあとになってようやくわかるほどです)。勇者は"勇者"のくせに殺しをしません。それはなぜか?その理由も書かれていますが、勇者が信念を突き通すものとしては甘いような気がします。
また、勇者のキャラが立っていない分魔王のキャラはしっかりしています。魔王はこれまで、殺すことにちっとも罪悪感を覚えず、人でもモンスターでも殺してきましたが、それが勇者との出会いで考え方に変化が起こり、やがては恋(と言っても魔王の完全な片思いですが)に発展します。ですが、私にはその流れも唐突すぎるように思われました。
1巻後半から勇者の右腕となる男や、仲間である少女(彼女は2巻から)も登場しますが、…ごめんなさい。私には、彼らが「話の流れ上、こうしたら面白い」という設定から作られたようなキャラクターにしか感じられませんでした。それぞれ個々に、ちゃんと「性格」はあるのですが、ありきたりでいまいち、という感じです。
なので、ストーリーを重視する方にはこの漫画はあまりおすすめできません。
絵はきれいなので、「絵がきれいならそれでいい」という人は買って損をしないかもしれません。
散々言ってますが、一度読む程度ならそれなりに面白い作品です。
表紙だけで購入を考えている方は、ぜひ一度、すでに購入している友人や知人などから借りてみたりして、作品に目を通してからのほうがいいと思われます。
ドラマCD シューピアリア
主なCAST
シーラ(魔王):桑島法子
エクサ(勇者):森久保祥太郎
ラクシュリ:森田成一
アンジェリカ:釘宮理恵
ジュノー王子:斎賀みつき
白シーラ(魔王のコピー):甲斐田裕子
個人的には斎賀サンの王子っぷりがGOOD!!
今日からマ王!シリーズのヴォルフラムのようです。
斎賀サンは小悪魔的な王子様が似合う気がします。
お気に入りのセリフは、シーラの「食えるのか?」ですねぇ〜。
かわいいです!!
集中して聞かないと分からないかもしれないですけど…
白シーラの悪役っぷりもGOODです。
続編期待!!
桜雪―Ichtys作品集 (ガンガンコミックス)
連載作「シューピアリア」にも興味はあったのですが金銭的な問題で単行本を揃えるのは断念。
そんな時この発売を知り購入しました。自分の場合はこの人の絵をよく見てみたいという意味での興味だったので短編集刊行は朗報でした。
内容は著者のデビュー作や連載前の読みきり作品など計4つ。
4つともそれぞれまるで異なった世界観であり、氏の描画を様々な視点から堪能するのに非常に持ってこいの一冊と言えるでしょう。
一話完結であり、またデビュー初期の作品が集まっていることから構成にはやや難がありますが、その圧倒的画力は健在です。
連載作を買う前に読むのも買っているからこそ読むのも一興。
長編を読む気は無いが漫画は読みたい、といった人にも是非お勧めしておきます。
シューピアリア・クロス(6)(完) (Gファンタジーコミックス)
良く言えば王道だけど悪く言えばありがち、という印象です。
どこかで見たことあるような無いような最終回でした。
シーラの葛藤はよく表現されていて、面白かったといえば
面白かったんですが、もう少しひねりが欲しかったです。
作者の次作に期待したいと思います。