トリニティ×ヴィーナスSRS (integral)
この本はJIVEから発売されているマンガを原作としたTRPGのルールブックです。
・・・なのですが、そのマンガは(このルールブックが発売された時点で)1巻が発売されているだけなので、半ば「オリジナル」と考えても差し支えないような・・・
これはほぼ現代を舞台に、VIP能力と呼ばれる超常能力をもつPCが犯罪VIP能力者や悪のVIP組織と戦ったりするようなゲームです。
システムはFEAR社の作ったSRSに基いており、風の聖痕RPGなどと互換性があるとされています。
キャラクターの作成としては、攻撃が得意、支援役、といった役割を表す「ヒーロークラス」1つと、VIP能力の傾向を表す「VIPクラス」を1,2個選び、出自や能力に目覚めた経緯、得意分野などを決めていきます。
また、VIPブーストというポイントが与えられ、コレを消費することによって一時的にパワーアップしたりします。
さらに普通のVIP能力よりも強力なアドバンスドVIPというものが3つ与えられます。
このアドバンスドVIPはALFでいうところの加護に近いものですが、特定の手順に則り既存のものを改造したり新しく自作できるルールが掲載されています。
(ただし完全にPLの自由に作らせるととんでもないものが出来かねないので、GMは注意深くある必要があるでしょう)
この他に特徴的なものとしてはシナリオクラフトがあります。
これはシナリオをあまり準備せず、チャートに従って半ばランダムにゲームを進めていくシステムです。
これ自体はALFなどにもあるのですが、基本ルールの段階で掲載されているのはコレがはじめて(のはず)です。
この他にシナリオ2つが掲載されています。
ところで、読んでいて気になったのですが、本文に*をつけて欄外に注釈、という書き方をしていますけど、どの*にどの注釈が対応しているか判りづらいところが。
(「本文に出て来た*の順番に注釈を書く」形式と「ページ内の*の位置に応じて注釈を書く」形式との混在も一因だと思いますが)
どうにかしてほしいと思いました。(「どうにか」の例:とりあえずどちらかの形式に統一する)
全体的に見てみますと、アドバンスドVIP作成ルールやシナリオクラフトなど、かなり意欲的に頑張ってつくられていると思います。
天下繚乱ギャラクシー -見参、銀河卍丸- Replay:天下繚乱RPG (integral)
田中天氏の本領炸裂。
オープニングは、ガンダムファンが半泣きで嘆く「アフター・イエヤス40000年〜」。
時代劇なセッティングなのに、宇宙空間。キてる単語が飛び交う狂気の空間。シリウス大納言とかギャラクシー火付盗賊改とか。
キャラクターは真面目なのに、プレイヤーはヒィヒィ笑う、いつもの田中天クオリティ。ダブルクロスリプレイ・ジパングのノリが戻ってきました。
プレイヤーも、井上純一、水野暁子(ジパングのヒロイン)、小太刀右京、重信康の豪華メンバー。
重信氏のプレイは、天さんの言霊が乗り移ったかのごとく絶好調です。
最後に、巻末にステージ紹介文とデータがついていますが、文章のほうは、天さんらしい頭が煮崩れたケッ作です。
おざなりダンジョンTACTICS③ (CR コミックス)
1巻2巻が、おざなりダンジョン「タクティクス編」としての「ゴンドワナ・ローレシア・バンデットカフェの三つ巴」が続いているのであれば、
3巻は待望の番外編ですね!全盛期のおざなりに近いテンションですね!
絵が心なしか安定してきている気がします。タクティクス1巻のときは線が不安定な気もしていたのですが。
旧おざなりダンジョンでは、こうした、本編とリンクしつつも大筋のシナリオに直列していない話がたくさんあって楽しかったので、今回の3巻はとても嬉しいです。内容については、まだ読んでいない人のため、例によって省略しますが、ラストの方の222ページと223ページの〆のセリフを見て、「今回も読んでよかったなぁ!」「モカのように生きたいなぁ!」と強く思いました。
今回の話はよくある「〜〜宇宙」ネタなので、途中まで読めば、すぐに展開が読めるとは思うのですが、ラスト直前の展開の数ページも、番外編のお祭りとして、長年の読者は絶対に喜ぶと思います。また、その他としては、ほんの僅かなシーンで、キーパーソンである「例の盾」の人の近況も少しわかってしまい、寂しいのか、悲しいのか、いずれ来る物語の終わりで、懐かしの初動キャラである彼女はでてこないのかもしれない……、と思うところもありました。
番外編としても、本編へのリンクとしても、最終ページのギリギリまで盛り上がる、十二分に楽しめる巻でした。続刊を期待して行きたいと思います。
追記
タクティクス3巻があまりに楽しかったので、レビューを書いた後、改めて、旧おざなりダンジョンからのすべての巻を買い直しました。これで我が家のおざなりダンジョンは4セット目になります。CRコミックス化されたときは既に3セット持っていたので、さすがに新版はスルーしたのですが、タクティクスという完結編を前にして、最終版とも言えるCR版の旧おざなりダンジョンも欲しくなってしまいました。数あるファンタジー漫画の中でも、最も個性的な漫画の1つとして大好きです。タクティクス3巻が今日届いて何度も見直しましたけど、やっぱり面白いですね。
akiko プレゼンツ・ロッキン・ドゥワップ、ジャンプ&ジャイヴ
akikoさんのカバーアルバム「リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ」と一緒に買いました。すごいいい選曲で、楽しめます。流石にオリジナルなので、音質やアレンジに古臭いところは当然感じますが、グルーブ感はやっぱりすごい。体が自然に動き始めるし、何回か聞くと自然にメロディーやリズムを口ずさんでしまう楽曲のすばらしさ。やっぱり、いいものはいい、楽しいものは楽しい。こういうのを出すのは勇気あります。すばらしい。