【棒読み】染谷将太さん菊地凛子さん結婚報告『お互いを支えあいながら』。。。菊地凛子

ナイト・トーキョー・デイ [DVD]

われわれは決して、ノワール的な風景の中で生きているとは云えない。既にわれわれ自身と分離しがたいほど互いに溶け合ったかに見える、お馴染の、あの路地、駅、電車、川……これら日常の風景たちは、救いがたいほど散文的で、どこを探してもノワールの契機は見あたらないように思える。だが、それは可能なのだ。いまここにおいて、ノワールは発動しうる。『ナイト・トーキョー・デイ』が示す教訓とは、そこに尽きるに違いない。映画は、ある自問を促さずにはいない。一体われわれは、築地市場やラーメン博物館や花やしきが、これほどまでにノワール的な風景たりうることに、どれほど気づいていただろうか、と。われわれが日常の名のもとに通過してきた、また現在も通過しつつある、あの散文的な風景たちを、映画は何食わぬ顔でノワールに塗り変えていくのだ。われわれの日常にきわめて近しいこれらの場所たちが、ノワールの舞台として、これほどまでに正しく機能する有様は、われわれに素朴な驚きを与えるし、もちろん驚くことが映画に対する礼儀だ。けれども翻って原理的に考えれば、そこに驚くべき事柄は実は何もない、とも云える。当然ながら、そもそもノワール的な風景などというものはないのだ。あるのは、ただノワール的な視線であり、風景自体は、ノワール的でも散文的でもあったためしはない。必要なのは、ノワール的な視線なのであり、それさえあればノワールは発動する。2000年代の東京でも、また他のあらゆる場所でも。だから、劇中のワインをめぐる会話に登場する台詞、「どんなものだって官能的であり得るんだ」は、まさにこうした文脈で理解されなければならないだろう。そう、どんなものだってノワール的であり得るのだ。（……「いちご餅」でさえ！）ナイト・トーキョー・デイ [DVD] 関連情報

Kumiko: The Treasure Hunter [北米版 Blu-ray]！＜菊地凛子主演＞

　２０１４年製作で米国本国でも今年３月に漸く公開されたという、現時点で本邦劇場未公開の菊地凛子（人の名前は間違えないように書きましょう）主演のインディペンデント映画。日本でも是非、公開すべき優れた作品だ。小子は本ブルーレイ盤を米ａｍａｚｏｎでお買い物中に発見、いくつかの現地の絶賛レビューを見て興味がわき、購入して全編鑑賞した。　共同製作・監督・脚本・共演（保安官役）はデヴィッド・ゼルナーとネイサン･ゼルナーという兄弟チーム。ゼルナー兄弟は最近、米国で注目されているインディーズ映画作家で、『Kid Thing』等これまで数本の映画を作っているが、中でも本作の評価が最も高い。製作総指揮の１人に主演の菊地凛子も加わっており、それもあってか、何かに憑かれたような迫真の演技を本作で披露している（ウサギ版『鬼畜』のようなエピソードが特に泣かせる）。　本編開巻早々、「この映画は実話（true story）に基づいている」、というビデオ撮りの粗いテロップが流れたと思ったら、これは映画『ファーゴ』のビデオ映像だったことが後でわかる。というのも、本作は２００１年に米国ミネソタ州で実際に起きた日本人女性の凍死・怪死事件から発生したurban legend（都市伝説）に基づいてストーリーが組み立てられた作品で、その「都市伝説」とは、この亡くなった女性は『ファーゴ』のビデオを見て、その中で出てくる現金入りのアタッシュケースが埋められた場所を探しにきて道に迷い凍死してしまった、というものだったのだ。実際には、この女性は何かの事情で自殺したというのが正しいようなのだが、米国ではこの都市伝説がかなり真実味を持って広まったのだそうだ。　コーエン兄弟が作った傑作犯罪映画の１つ『ファーゴ』をご覧になられた方はおわかりだろうが、偽装誘拐事件の実行犯の１人が持ち逃げする現金入りのアタッシュケースは、映画では、そのありかはわからないままとなっている。同作が冒頭のテロップで「これは実話に基づいている」というのは、実は、コーエン兄弟一流の全くのフィクションであることは後々になるまで一般の観客に知られることはあまりなかった。同作が描く物語が現実のものだと錯覚する人がいても不思議ではなかったのだ。　本作の面白さは、映画が持つそうした現実と虚構とを自由に行き来する機能を、「二重に」捉えてドラマ構成した点だ。二重に、というのは、本作自体もまた、「都市伝説」という現実に基づいた虚構から再構築したドラマであるためだ。本件を映画化するには、作者たちは現実の事件から物語を構築することもできたはずだ。ところが敢えてそうはせず、都市伝説の方の物語を作者は選んだ。そのことで作者たちは、この当時の、ある１人の日本人女性の人生の真実を表現しようとしている。この作業があったからこそ、逆に本作は少しも絵空事ではなく、１本芯の通った力強い作品になったのだと思う。 Kumiko: The Treasure Hunter [北米版 Blu-ray]！＜菊地凛子主演＞関連情報

戒厳令

女優さんの為に単に作った曲を歌わせただけのＣＤではない。菊地成孔さんと菊地凜子さんが、音楽の凄さを噛み締めながら、お互いの魂を共振させて心から楽しんで作ったのが伝わってくる、喜びに溢れたＣＤです。様々な才能をお持ちの菊地成孔さんですが、中でも繰り出す言葉が凄い。耳に残る軽快な、でも深い歌詞。生の菊地凜子さんに喰い込んだ台詞。エロチックでちょっと危険な、不思議な世界観を作り出す文章。一番好きなのは『泥の世界』。CDを聴き終る頃には、まるで壮大な映画を1本観終わったような気分になりました。菊地凜子さんは元々好きな女優さんでしたが、菊地成孔さんを通じてもっと見直したし好きになりました。さすが国際派女優、菊地凜子さんのＣＤ。フランスをはじめ、ユーロでも発売されるとか。これから何度もリピートし続け、聴き込むＣＤがまた１枚。次回作も是非聴きたい！！戒厳令関連情報

【映画パンフレット】『パシフィック・リム』出演：チャーリー・ハナム.イドリス・エルバ.菊地凛子