ほうろう
この当時の細野さん人脈の作品は、荒井由美始めとにかく演奏が素晴らしい。まあユーミンはコンポーザーとしてズバ抜けた才能があるのでキャラメル ママはそれを手助けした感じであったが、本作は作曲に演奏にと八面六臂の活躍で、かなり作品の色を左右する仕事ぶり。
正直メインの小坂さんは巧いが海外のソウルシンガーのそれとは違う。声の線も太くはないし、声量も並だ。ただ特質すべきはサザン以降顕著になる歌詞の聴きとれなさが皆無な点。やはり元はフォークの人、サウンドよりまず言葉なのだろう。加えて歌詞が軽妙洒脱な為、はっきり聞こえても恥ずかしくない。
あとタイトル曲を始め16ビートのノリの曲もいくつかあるが、実に巧く歌いこなしている。レイ チャールズをレイちゃん呼ばわりし、ただ声がデカイだけのどこぞのソウルシンガー気取りの大御所とは違う。彼女のリズムのモタリ具合は酷い。小坂さんが以後ゴスペルに傾倒したのは、勿論信仰あってのものだろうが、ソウルシンガーとしての資質が元々あったのだろう。
レコード・コレクターズ増刊 日本のロック/ポップス 2012年 02月号 [雑誌]
レココレでは、以前日本のロック、ポップスに関する本として「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100」を出していましたが入門者の方とか日本のロック等について俯瞰的に知りたい、ガイド本が欲しいとお思いの方ならそちらの方をお勧めします。こちらは、例のアーカイブシリーズで以前レココレで特集した記事をそのまま再掲載するシリーズです。ですので、取り上げられたアーティストは深く掘り下げらられていますが、これで「日本のロック/ポップス」全部がつかめるというものではありません。
ただ、取り上げられているアーティストを通じて日本のロック、ポップスに関してここまで深く踏み込んだものはあまり見当たらないので、非常にありがたい1冊だと思います。
欲を言えば、というか不思議なのは、GSの特集はここに載らないの?キャンディーズ特集も載せるべきだったのでは?さらに、URC特集については追加訂正のコーナーでもっと拡大してほしかったなあと3点ありますが、まあ、ここまでの本を今出せるのはレココレだけなのでその頑張りに免じて星5としました。
今のロック・ポップスを知るには欠かせない1冊だと思います。ここで取り上げられたアーティストが作品が無ければ日本のロック・ポップスは随分と違ったものになっていたことは間違いないでしょうね。
今後もレココレの特集、増刊期待しています。
オール・カインズ・オブ・ピープル~ラヴ・バート・バカラック~プロデュースド・バイ・ジム・オルーク
一聴、耳ざわりの良いだけの音楽と感じるかもしれけませんが
とろこどころに凝り凝りのしかけが隠されているんですよね。
イージーリスニングがもつ隠れた狂気をうまく表現していると思いますよ。
バカラックのカバーものでは、かなりのレベルでは。
SOUL PARTY 2009 [DVD]
アルバム『Connected』の発売記念LIVE TOURでバンドからサウンドエンジニアまでCDと同じメンバーでの贅沢なステージです。
1日2公演が基本のbillboardなので曲数が少なめですが、全編Funkyな演奏を聞かせてくれます。(ふうらい坊などはヨダレもんです)
ただ一つ残念なのは特典映像と付属CDがライン録音ではなくエアー(会場)の音である事です。特に細野晴臣&小原礼のWベースは歴史的出来事だったので、輪郭がハッキリでるように別MIXにして欲しかった…。あくまで特典と割り切るべきなのかな?