Simoun (シムーン) 1 [DVD]
書きたいことはあらかた書かれてしまったので、多方面から、この作品にアプローチしてみたいと思います。
まず作画について。背景やシムーンのCG(回によってはより丁寧に描かれていますが)が、少し簡素かなと思いましたが、人物画に関しては文句なしの出来で、スタッフの情熱が感じられる作画だったと思います。
構成について。これも文句なしです。さまざまな伏線が貼られており、それも終盤でしっかり全て拾われています。各々のキャラクターの言葉の一つ一つが、実に意味深長で、これがこの作品を名作たらしめる一つの要素になっていると思います。
演出について。これも素晴らしいの一言です。この多くを語らない演出が、この作品の大きな魅力の一つだと思います。ここで一つ一つを紹介することはできませんが、とにかく素晴らしいので、是非御自身の目で確かめて欲しいと思います。ただ、少しばかり冗長に思える(あるいは、汚い言葉を使えばあけすけに思える)演出もありましたが、総じて素晴らしい演出だったと思います。時折入るBGMは圧巻でした。
最後に、メッセージ性について。
この作品は、「『大人になる』とはどういうことなのか」という難しい問題に対して、一つの答えを提示した稀有な作品ではないでしょうか。作中では、一人一人が、様々な心の闇を抱えていますが、誰かに頼ることなく、悩み、考え抜いて、それぞれの答えを見つけ出していきます。そうした過程を経て、自分なりの決断を重ねて行くことが、本当の『大人になる』ということなのだ、と強く訴えているのではないでしょうか。見る人によって様々なメッセージ性を含んだ、大変興味深い作品です。
個人的には、一貫して漂うノスタルジックな雰囲気、記号論的な位置からキャラをしっかり一人一人作っていたところも高く評価したいです。
色々長ったらしいことも書きましたが、文句なく名作です。駄文長文失礼しました。
シムーン 異薔薇戦争 封印のリ・マージョン(初回限定版)
発売もされておらず、システムもそれほど多く発表はされてないので評価しようもないのですが…
どうやら舞台は本編9話〜14話ということ。これはDVD組にとっては発売延期も朗報。
そのころにはDVD第5巻も発売されているであろうし。ちゃんと予習ができるわけですから。
既にOPムービーは公開されていますが、クオリティは高いと思います。SAVAGE GENIUSの主題歌もかなり素敵!
百合的なイベントは勿論、割と戦闘に期待しているのです。リ・マージョンなどの演出も楽しみ。
(一応百合ゲー?な)アカイイトでは、CEROだかメディ倫だかで女性同士のキスの絵がNGだった
という話も聞きましたが、シムーンからキスをとったら話が進まないので…大丈夫ですよね?
EMOTION the Best Simoun(シムーン) DVD-BOX
商品自体は、DVD-BOX ですので「全巻セットがお得!」といった感覚なのかなと。
BDでリリースしていれば、もう少し価格が高くても買う人は居るかも。
かくいう私も、たとえBDであっても注文したかもしれません。
実は、本作品を知るきっかけが他者によって違法にアップロードされた
動画系サイトの視聴によるものでした。
全話視聴する機会はありませんでしたが、全26話中8話まで視聴。
― 作品関係者の皆さん、ゴメンナサイ。
このように、私自身は未だ全話観ていないのですが、凄く奥深い世界観、
設定があって、味わい深い作品だと感じました。
基本的にヒロイン達の物語なので、それゆえに美しさも感じるのですが
簡単に纏められない世界観は、じっくり腰を据えて視聴したいと思ってます。
多分、何度でも観てしまうんじゃないかな。
アニメーション作品は、監督、声優、作画とマニアックなところで
楽しむ人も多いようですが、私自身は脚本が一番気になるところ。
単に「タダ観の未視聴分を観てみたい」という気持ちより、
手元に置いておきたいなと思わせる内容でしたので、購入を決定しました。
Simoun CDドラマ「嗚呼、麗しの派遣OL なぜなんだシムーン株式会社」
戦争が終わってネヴィリル率いるコール・テンペスト(の一部)がやってきたのは東京・千駄ヶ谷のオフィスだった。
派遣OL会社「シムーン」を立ち上げるものの、リモネにそそのかされてネヴィリルが一番最初にやったのは「箱根への社員旅行」そのせいでいきなり資金が足りなくなるという有様。
その後も原宿でのロードレアモン&マミーナ(なぜか復活)の貴族と平民トークや、OLモノならではの「給湯室」(なぜかリモネが)ネタなどなど、さまざまな現代風シヴュラメンバーの番外トークが繰り広げられるまさに番外編。
結局、自転車操業のこの会社が辿る結末は……まぁ言わずもがなという感じです。
全編にわたってパライエッタの「無力だ……」とカイムの「パラ様……」が固定オチ。
フロエ・アルティ・ビューラ・ユン・モリナス・ドミヌーラは不参加です。
また、話の途中で駐車違反をとがめる女性警官はなんかどこかで聞いたことのある人だったり、ロードレアモンが持っているクレジットカードはもしかしたらあの人と同じもの? と気づけたらそれはそれでちょっと楽しいかもしれません。
収録後のインタビューも各キャストの収録当時の素の姿が垣間見えてくるので必聴。
「シムーン」本編とは全く世界観、その他キャラ設定以外を一切無視したハチャメチャっぷりを存分に楽しめる。そんなドラマに仕上がっていました。
どう考えてもこれ以上先に進む気配はなさそうですが……
Simoun (Yuri-Hime COMICS)
巻数が振られてなかったから発売前から気づいた人も多いはず。
そうです、Simounは1冊完結作品。
構成は三話+サイドストーリー8頁(書き下ろし)
話はいたって明解、新人パイロットのアーエルがエースパイロット*1であるネヴィリルに“一緒に飛んで欲しい”*2と願い、ネヴィリルはある事情から“嫌”なのではなく、“怖い”とこれを拒む。
あたしはこんなにあなたと飛びたいと願っているのに…という2人のお話。
百合コミックということですが、情愛や性愛というより、友愛。
「共に空を飛ぶパートナーとしてあなたが好き」とかそんなカンジですね。
あとは、アニメとの比較で言うと、ストーリーはオリジナルです。
キャラの雰囲気も若干違う印象。
かなり初期の草案だけもらって、ある程度自由にやらせてもらってるのかも知れません(連載開始が05年7月の雑誌ですし)。
ちなみに登場人物はアーエル・ネヴィリル・パライエッタ・マミーナ・ロードレアモンだけ。
シムーンで空を飛ぶのもワンシーンのみ。
何か出来事が巻き起こるでもなし、シムーンで飛んだり戦ったりするでもなし。
人と人のドラマに完全に焦点が絞られた作品で、雰囲気や絵柄など世界観が個人的には結構気に入りました。
題材は良いだけにもっと見てみたかったですし、もっと話を広げて連載してもらいたかったですねー。